４２.最後の１プレー ページ44
「Aちゃんは、俺と一緒に相手を引き付けて欲しい。
『了解』
「ＯＫ、蜂楽」
私と潔君が蜂楽君の言葉に返答すると、試合再開の合図を告げるホイッスルが鳴った。
ホイッスルが鳴った瞬間、私と潔君は敵陣へと走り込み、それを見た久遠さんは『潔君？Aちゃん？』と困惑気味に呟いていた。
チラリと後ろを振り返れば、蜂楽君が３人のディフェンスに阻まれている。
どちらともなく目が合うと、彼は僅かに頷いて私へボールを上げた。
「よろしく、Aちゃん！」
蜂楽君からのパスは、完璧に私の脚へフィットした。
完全にフリーになっていたから、パスしやすかったのかもしれない。
私にパスされると、一気にこちらへと人が集まって来る。
でも勝てると思っているからか、あまり本気でディフェンスをしようと言う雰囲気が感じられなかった。
それなら好都合だと、ボールをドリブルして必死に駆けて行く。
すると、潔君がゴールポスト手前に辿り着いている姿が目に入った。
――――ここだ。
『潔君っ』
ドンッと、力加減を上手く調整して潔君へパスを出した。
宙に浮く様にして上へ上がったボールは、軌道を変えて潔君の脚元へと降り落ちる。
それをトラップした潔君は、スピードを落とさずに走り続けた。
しかし彼の勢いを止めるかの様に、ゴール前で佇む
「おい１１番、俺より目立つな。キングは俺だっつってんだろが。抜いてみろ、下手糞」
キングさんの姿に、潔君は驚愕した。
走っていた脚を止めると、金縛りにあったみたいに身体が動かなくなってしまう。
キングさんの威圧に圧倒されているんだ。
“ここで彼を抜こうとして失敗したら”、と言う考えが頭を過っているのかもしれない。
その時、潔君の背後から『潔！』と、彼を呼ぶ声が轟いた。
「パス出せ！俺が決める！！」
「俺だ！こっちだ！！」
雷市君、そして１人にマークされている國神君が駆け寄って来る。
潔君は彼らの姿に何かを考える様に眉を寄せたが、突然ハッとした様に目を開いた。
『潔君？』
――――次の瞬間、潔君は左脚で國神君にパスを出した。
「ナイボー、潔……！！」
そう呟いた國神君は瞬く間に強烈なシュートを放ち、ボールをゴールネットへと突き刺した。
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Banri - アイズさん» コメントありがとうございます！少しゆっくりになるかもしれませんが、更新頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (1月26日 11時) (
レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
アイズ(プロフ) - 更新待ってます！ (1月26日 7時) (レス) id: f7fb020bf2 (このIDを非表示/違反報告)
Banri - コメントありがとうございます！そんな風に言って頂けて、とても嬉しいです！更新頑張りますね、これからもよろしくお願いします！ (1月21日 11時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
MaO(プロフ) - 一気読みするほど、とても良かったです！続きを楽しみに待っています！応援しています！ (1月21日 10時) (レス) id: 96e9700f7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Banri | 作成日時：2024年1月16日 18時
