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37.王様の実力 ページ39

「ごめん、久遠君!!そっち行った!」

「オーケー、任せて!」


すぐに潔君は、後方に居た久遠さんの方を振り返って声を上げる。
久遠さんが慌てて駆け寄るが、男の人はそんな彼を一瞥すると、子供を相手にするかの様に躱して行った。











強い。
何者なんだ、あの人は。
たった1人でお団子サッカーを制し、テクニックも一級品。
身体だって一際大きいし、小回りも頭一つ抜けて上手い。
只者では無いと思っていたけど、まさかここまでの存在だったなんて。


男の人はあっという間にゴールまで詰め寄り、ズレ1つ無い完璧なシュートを放った。
ゴールキーパーとして伊右衛門さんが佇んでいたが、彼のシュートが完璧過ぎてピクリとも動く事が出来ず、為す術なくゴールを決められる。
そしてモニターにチームXの得点が『1』と入れられ、ゴールを決めた彼はゆっくりと私達の方へ顔を向けた。












「良いか、覚えとけ下手糞共が。俺にとってボールは、友達でも何でも無く……俺を輝かせる為の唯の球体下僕だ。ピッチの上じゃあ、俺が王様(キング)だ」












静かに告げられたキングさんのその言葉に私達は唖然としたが、チームXは喜びを露わにした。
だけど、それとは対象的に先制点を取られてしまったチームZは、焦りに駆り立てられて険悪な雰囲気を漂わせ始めた。


「おい、伊右衛門!お前ゴールキーパーだろ、ちゃんとしろよ!?」

「いや、やった事無いんだからしょうがないだろ!?てか、今のは川島でも無理だぞ!」

「まだ1点取られただけだ!心を整えよう!」


五十嵐君が伊右衛門さんに詰め寄るが、何とか久遠さんがそれを制した。
この空気を収めたかったのか、潔君は久遠さんの言葉に同調する様に頷く。












「そうだよ、皆!お団子サッカーじゃなくて、ポジション守ってパス回せば……」

「あ?それじゃあ、FWのお前が点取る事になるだろうが。雑魚はDFでもやってろ!お前ら全員、俺にパス回してりゃ良いんだよ!」


裏目に出てしまったのか、潔君の言葉に雷市君が苛立った様に声を荒げた。
それは彼だけに留まらず、1点の重みを深く受け止めた皆は、一瞬の内にバラバラになってしまう。


「巫山戯んな、俺にパスしろ!」

「いや、俺だ」

「俺だよ、俺!」











この状況はマズい。
益々、自分の事しか考えられなくなってる。
そんな無毛な口論を続けていると、『チームZ、試合再開しなさい』と言うアナウンスが鳴った。

38.崩壊と纏まり→←36.奪い合い



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設定タグ:ブルーロック , 御影玲王 , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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Banri - アイズさん» コメントありがとうございます!少しゆっくりになるかもしれませんが、更新頑張ります!これからもよろしくお願いします! (1月26日 11時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
アイズ(プロフ) - 更新待ってます! (1月26日 7時) (レス) id: f7fb020bf2 (このIDを非表示/違反報告)
Banri - コメントありがとうございます!そんな風に言って頂けて、とても嬉しいです!更新頑張りますね、これからもよろしくお願いします! (1月21日 11時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
MaO(プロフ) - 一気読みするほど、とても良かったです!続きを楽しみに待っています!応援しています! (1月21日 10時) (レス) id: 96e9700f7c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Banri | 作成日時:2024年1月16日 18時

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