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28.逢えたから ページ30

「直感ってやつだよ。俺はその声に耳を澄ませてサッカーをする、そんだけ。聞こえるでしょ?“かいぶつ”の声」










潔君と距離を取った蜂楽君は、当たり前の事を聞いているかの様に平然としている。
潔君は困惑した表情を浮かべており、一体何を話されているのか分かっていない様子だ。
でも蜂楽君は一切ふざけている様子が無い、こんなにも真剣な顔をしている彼は始めて見た。
それに蜂楽君が言っている事は、何となく私にも分かる様な気がする。
吉良君を狙っていたのは、私の知らない自分だったから。


「メッシも、C・ロナウドも、ノエル・ノアも、凄ぇ奴は皆心の中に“かいぶつ”を飼ってる。きっとそれが、ストライカーの証なんだ……俺はそう信じてる」


そこで1度言葉を区切った蜂楽君は、目の前に佇む潔君と、離れている私に視線を向けた。











「俺は、青い監獄(ここ)に来て良かった。潔とAちゃんに逢えたから」

『……!私も?』


突然、私の名前が出て来た事に驚く。
私の呟きに気付いたのか、蜂楽君はこちらを振り向きながら『そうだよ』と口元を上げた。


「Aちゃんも“かいぶつ”を飼ってるんだよね?あの時のAちゃんの目には、痺れたなー。こう、身体の奥からビリビリッと稲妻が走った様な……あんな経験、無かったんだ。だからかな、Aちゃんのパスを貰った時、迷わず行動出来た」


いたずらっ子の様に、笑いながら話す蜂楽君。
確かにあの時は吉良君に勝ちたいって思いだけで動いていたから、後先の事なんて考えられなかった。
あれが、私の中の“かいぶつ”……?










「俺を信じてパスを出してくれたんだって思ったら、すっごく嬉しかったんだ。だから俺は、あの時からずっとAちゃんの事が好き」

『え……?』

「なっ……!?」


突然の発言に、言葉が無くなってしまう。
潔君も絶句した様に、口をポカンと開けていた。
サラッと口から出た言葉に蜂楽君は気付いているのか、いないのか、楽しそうに笑みを浮かべている。
いや、友人としての好き……かもしれないし、あまり深く考えない方が良い。


「蜂楽……それは、友愛的な好き、だよな……?」


潔君は、おずおずと躊躇い気味に問い掛ける。
『肯定してくれ』と願っている様に見えるのは、気の所為だろうか。











「え?違うよ、普通に女の子として好き」


首を振って否定する蜂楽君。
その言葉に、私は又してもフリーズしてしまった。

29.素直な少年→←27.かいぶつが居る



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設定タグ:ブルーロック , 御影玲王 , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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Banri - アイズさん» コメントありがとうございます!少しゆっくりになるかもしれませんが、更新頑張ります!これからもよろしくお願いします! (1月26日 11時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
アイズ(プロフ) - 更新待ってます! (1月26日 7時) (レス) id: f7fb020bf2 (このIDを非表示/違反報告)
Banri - コメントありがとうございます!そんな風に言って頂けて、とても嬉しいです!更新頑張りますね、これからもよろしくお願いします! (1月21日 11時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
MaO(プロフ) - 一気読みするほど、とても良かったです!続きを楽しみに待っています!応援しています! (1月21日 10時) (レス) id: 96e9700f7c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Banri | 作成日時:2024年1月16日 18時

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