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26.心配なだけ ページ28

-Kunigami side-











御影を初めて見た時から、何故だか放って置けなくなった。











最初はイガグリに絡まれてたから、可哀想だと思った。
お節介かもしれねぇけど、ここで見過ごすのも後味が悪いし、自己満足のつもりで助けただけだった。
でもその後も何かとあいつの事を放って置けなくて、何かを理由にしては一緒に行動する様になった。
ここはブルーロック、男だらけの監獄だ。
1人だけ女子の御影がウロウロしていたら、何が起こるか分かったもんじゃない。


寝る時もイガグリみたいな奴に襲われるかもしれねぇから、半ば強制的に隣同士にした。
御影がシャワー浴びてる時も、覗きに来る奴が居るかもしれねぇから、常に扉の前で待機する様になった。
こうしてねぇと、あいつの事が気になって気になって仕方なかったんだ。












「國神、ちょっとAちゃんに過保護過ぎるんじゃない?」


何の前触れも無しに言われた言葉。
そんな蜂楽の言葉に同調する様に、周りの奴らも『ずっと引っ付いてる』とか、『番犬かよ』と口々に告げる。


「俺はただ……御影の事が心配なだけだ」


ポツリ、と小さな呟きが俺の口から零れ落ちる。
自分でも、何となく気付いていた。
俺は必要以上に御影に干渉している、と。
今まで、こんなにも誰かの事を気に掛けた事なんて1度も無かったし、心配になった事だって無い。
少し可笑しくなったんじゃないかと思ってしまう程、今の俺は俺じゃないみたいだった。


だけど、やっぱり俺は御影から離れられなかった。
もし、あいつの身に何か起こったらと考えると、無意識に離れる事を拒否している自分が居る。
よく分からない感情に少し気持ち悪くなる事もあったが、御影が側に居てくれると、それも自然と消えて行った。












「どうして、そんなに御影さんに関わるんだよ」


これは、潔から問われた言葉だ。
普段温厚な潔が絶対に見せない様な、怒気を含んだ表情。
それを見ただけで分かった、こいつは嫉妬してるんだって。
潔はここへ来る前から、御影と知り合いみたいだった。
きっとこいつにとって、御影は特別なんだろうとハッキリと分かった。


だからこそ、俺の中には確かな優越感が生まれた。
今の俺は、潔よりも、他の誰よりも御影の側に居る。
あいつの目も声も表情も、全部俺が独占しているのだと思うと堪らなく興奮した。












――――こう言う汚ない欲を持つのも、案外悪くねぇな。

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設定タグ:ブルーロック , 御影玲王 , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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Banri - アイズさん» コメントありがとうございます!少しゆっくりになるかもしれませんが、更新頑張ります!これからもよろしくお願いします! (1月26日 11時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
アイズ(プロフ) - 更新待ってます! (1月26日 7時) (レス) id: f7fb020bf2 (このIDを非表示/違反報告)
Banri - コメントありがとうございます!そんな風に言って頂けて、とても嬉しいです!更新頑張りますね、これからもよろしくお願いします! (1月21日 11時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
MaO(プロフ) - 一気読みするほど、とても良かったです!続きを楽しみに待っています!応援しています! (1月21日 10時) (レス) id: 96e9700f7c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Banri | 作成日時:2024年1月16日 18時

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