２５.ちょっとした休息 ページ27
私達が食堂に着いた時、既にかなりの人が集まっていて、食事を始めている人が何人か居る。
私と國神君は食事を提供してくれる機械の前に向かい、自分のランキングの数字が書かれている左腕をピッと翳した。
すると中から豚の生姜焼きが送り出され、私はそれを静かに受け取る。
『また豚の生姜焼き……』
「そんな気落ちするなよ、不味い訳じゃ無いだろ？」
食堂ではご飯と味噌汁の他に、ランキングによっておかずが変わってくる。
豚の生姜焼きが嫌いな訳では無い。
ただ３日間同じ物を食べていると、流石に飽きが来てしまうものだ。
因みに國神君はカレーであり、何だかそれを見ていると美味しそうに見えて来る。
空いている席に着いて食べ始めようとすると、國神君が自分のカレーを渡して来た。
「今日は交換しないか？御影の生姜焼きと、俺のカレー」
『……え？でも、良いの……？』
「ああ、俺も丁度それが食いてぇと思ってた」
私の豚の生姜焼きを指差して、さり気なく言う國神君。
分けてくれるだけでも良かったのに、國神君の優しさが身に沁みる。
『ありがとう』と素直にお礼を告げると、國神君は『気にすんな』と言ってポンポンと私の頭を撫でた。
とても嬉しいけど、どうしてそんなに優しくしてくれるんだろう……。
「良いなぁ、２人共……豚の生姜焼きとカレーかよ、俺なんかずっとたくあんだぜ？」
「どんまい、イガグリ」
カレー美味しいと夢中でパクパク食べていると、私と國神君の席の前に五十嵐君と潔君が座って来た。
潔君達は私達が食べている物を羨ましそうに見つめており、その視線に少しだけ居た堪れなくなる。
確かによく見ると、２人のおかずは納豆とたくあんしか無かった。
何だか無性に、豚の生姜焼きで飽きているなんて言えなくなり、これからは文句を言わずに食べようと決意した。
「良いよなぁ、ランキング上位者は……見ろよ、アイツなんか餃子だぜ？」
「マジかよ、羨まし過ぎる……」
後ろに視線を移した五十嵐君は、テーブルの上にある餃子をジッと見つめている我牙丸さんを見た。
確かに、餃子も美味しそうだ。
そんな事を考えていると、突然箸を使わずに素手で餃子を食べ始める我牙丸さん。
『素手……？』
「あの人……何で箸使わないんだろ？」
「ありゃあ宗教上の問題か、熊に育てられたかのどっちかだな」
まさかの行動に私と潔君は唖然としたが、五十嵐君はジトッと見ながら言った。
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Banri - アイズさん» コメントありがとうございます！少しゆっくりになるかもしれませんが、更新頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (1月26日 11時) (
レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
アイズ(プロフ) - 更新待ってます！ (1月26日 7時) (レス) id: f7fb020bf2 (このIDを非表示/違反報告)
Banri - コメントありがとうございます！そんな風に言って頂けて、とても嬉しいです！更新頑張りますね、これからもよろしくお願いします！ (1月21日 11時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
MaO(プロフ) - 一気読みするほど、とても良かったです！続きを楽しみに待っています！応援しています！ (1月21日 10時) (レス) id: 96e9700f7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Banri | 作成日時：2024年1月16日 18時
