検索窓
今日:590 hit、昨日:697 hit、合計:110,131 hit

24.優しい人 ページ26

それから次第にランニングマシーンが止まり始め、漸く終わりがやって来たのだと分かった。
完全にマシーンが止まると潔君は倒れ込む様に地面に寝転び、五十嵐君は久遠さんに介護されている。
私は膝を突いて止まる事の無い汗を拭いながら、息を整えようと深呼吸を繰り返す。











すると誰かから、スッと水が入ったペットボトルを渡された。


「お疲れ、御影。大丈夫か?」

『あ、國神君……大丈夫、とは言い切れないけど……ありがとう……』


渡して来たのは、少し心配そうに見つめて来る國神君だった。
息切れが激しかった為、あまり上手く言葉は紡げなかったが、ちゃんと感謝の言葉は伝えないと。
有り難くそのペットボトルを貰うと、ゴクゴクと勢い良く水を飲み始めた。
水ってこんなに美味しかったんだなと、つくづく思い知らされる。


「あまり無理するなよ。これ、男がやってても苦しいメニューだからな」

『うん……正直、付いて行くだけでも大変だけど……やれるところまでやってみる』


徐々に落ち着きを取り戻し始めた私に、國神君は気遣う様に言葉を掛けてくれる。
その優しさに少し頼りそうになってしまったけど、此処で弱音を言っていたらブルーロックでは到底勝ち残れない。
自分だけ女子だからと言って、甘えていたら駄目だ。
真っ直ぐに見つめながらそう言うと、國神君は少し驚いた様に目を見開いたが、直ぐにフッと口元を上げた。











すると、部屋に備わっているスピーカーから学校の様なチャイムが鳴り響く。


《キーンコーンカーンコーン》


このチャイムは、ご飯の時間を知らせてくれる音だ。
ずっと体力テストに気を取られてすっかり忘れていたけど、もうそんなに時間が経っていたとは思わなかった。


『ご飯の時間だ』

「もうそんな時間か……御影、行こうぜ」


國神君の言葉に頷き、私達は食堂へと向かった。
気付かぬ内に國神君とは行動を共にする様になっており、食事の時は一緒に食べたり、寝る時も隣同士になっている。
でもそれは全て、私を心配してくれての行動だった。
男の人しか居ない場所で私が1人で行動をしていたら何が起こるか分からないと言う、國神君の優しさからなのだ。


本当に、國神君には感謝してもし切れない。





















―――――――――――――――


人数合わせの為、今村君は出てきません。
ごめんなさい、今村君……。

25.ちょっとした休息→←23.ここからが幕開け



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (105 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
323人がお気に入り
設定タグ:ブルーロック , 御影玲王 , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Banri - アイズさん» コメントありがとうございます!少しゆっくりになるかもしれませんが、更新頑張ります!これからもよろしくお願いします! (1月26日 11時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
アイズ(プロフ) - 更新待ってます! (1月26日 7時) (レス) id: f7fb020bf2 (このIDを非表示/違反報告)
Banri - コメントありがとうございます!そんな風に言って頂けて、とても嬉しいです!更新頑張りますね、これからもよろしくお願いします! (1月21日 11時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
MaO(プロフ) - 一気読みするほど、とても良かったです!続きを楽しみに待っています!応援しています! (1月21日 10時) (レス) id: 96e9700f7c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Banri | 作成日時:2024年1月16日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。