14.入寮テスト ページ16
「着替えは終わりましたか、才能の原石共よ」
絵心さんの突然の登場に驚いたものの、私達は黙って彼が映っているモニターを見上げた。
そんな絵心さんは手をワキワキとしながら、相変わらずの無表情で口を開く。
「やぁやぁ、今同じ部屋に居るメンバーはルームメイトであり、高め合うライバルだ。お前らの能力は俺の独断と偏見で数値化され、ランキングされてる。ユニフォームに示される数字がそれだ。300人中、何位かが一目で分かる様になってる」
私の数字は290位。
つまり、この中では上から2番目の位置に居ると言う事だ。
だけど、ここにはたったの12人しか居ない。
上には更に数え切れない程の選手が存在すると思うと、少し自信を無くす。
「そのランキングは日々変動し、トレーニングや試合の結果でアップダウンする。そしてランキング上位5名は、無条件で6か月後行われる大会……Uー20ワールドカップ、
Uー20ワールドカップ……。
20歳以下の選手によるワールドカップに、私達が選ばれる?
そんな現実離れした話が本当にあるのだろうか、私達はまだ高校生で無名の選手の方が多い。
そんな選手をブルーロックで活躍したからと言って、代表として選抜するなんて信じ難い話だ。
「因みに……ブルーロックで敗れ、帰る奴はこの先一生、日本代表に入る権利を失う。ここで勝ち上がる為に必要なのはエゴだ、今からその素質を測る為の入寮テストを行う。
さぁ、『オニごっこ』の時間だ……制限時間は136秒、ボールに当たった奴がオニとなり、タイムアップの瞬間にオニだった1人が
いきなり天井がパカッと開くと、そこからサッカーボールが落ちて来た。
絵心さんは最低限のルールを言い終えた瞬間モニターから消えてしまい、私達の間には困惑が広がる。
すると、先程まで絵心さんが映っていたモニターに『ONI五十嵐栗夢』と表示された。
「何だよ、コレ……!?こんなんが入寮テスト!?サッカーじゃねぇじゃん……」
『ドアも開かなくなってる……』
前触れも無しに始まったオニごっこに嘆く人も居たが、私はまず入って来た扉を調べた。
だけど思った通りロックが掛かっており、動かそうとしても開く事は無かった。
どうやら、このオニごっこが決着するまで外には出してもらえない様だ。
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Banri - アイズさん» コメントありがとうございます!少しゆっくりになるかもしれませんが、更新頑張ります!これからもよろしくお願いします! (1月26日 11時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
アイズ(プロフ) - 更新待ってます! (1月26日 7時) (レス) id: f7fb020bf2 (このIDを非表示/違反報告)
Banri - コメントありがとうございます!そんな風に言って頂けて、とても嬉しいです!更新頑張りますね、これからもよろしくお願いします! (1月21日 11時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
MaO(プロフ) - 一気読みするほど、とても良かったです!続きを楽しみに待っています!応援しています! (1月21日 10時) (レス) id: 96e9700f7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Banri | 作成日時:2024年1月16日 18時