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36、合格発表 ページ36

志望校の合格発表の日は、朝から気持ちが落ち着かなかった。


「お父さん、それAの箸ですよ」

「あ、そうか。すまん」

そう言って空のコップに口を付けるお父さん。

落ち着かないのは、どうやら私だけではないらしい。


9時が過ぎた。
合格発表まで、1時間切った。


「じゃあ、行って来るね」

玄関で、家族に見送られながら家を出て。
バスに乗って、志望校へと向かう。


ドキドキドキドキ……。

学校が近付くにつれ緊張が少しずつ高まり、握りしめた手は、汗でぐっしょりと濡れていた。


「A!」


学校に着いた途端、先に着いていた茜が私を見付けて走って来た。

「茜!見た!?あった!?」

「受かった!! あったよ!!
Aも美香もあたしも、三人とも受かってた!!」

「ウソ、ホントに!?」

人をかき分け、自分の目で確かめる。


あった…!
私の番号が本当にあった!!


「さっき智美たちもみんな志望校受かったって連絡来た!」


嬉しい知らせに、茜ときゃあきゃあ飛び跳ねる。



あっ、そうだ!!


「川島は!? 川島はどうだったか知ってる!?」

その言葉に茜がふっと眉を寄せた。


「さっき、智美に聞いた。川島、ダメだったらしいよ……」

「……えっ」






家に帰って、結果を伝えて。
喜ぶ家族を見ながら、川島の事ばかり考えた。


大丈夫かな……。
落ち込んでないかな……。

電話…、してみようか……?


突如、湧いて来た勇気。

合格発表の前と同じように、ドキドキ緊張しながら受話器を握った。


コール音が、1回鳴った。

受話器を持つ手が震える。


そして3度目のコール音で



『ハイ』


川島が出た。

37、電話をかける→←35、嬉しい情報



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設定タグ:オリジナル , 恋愛 , 青春   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月1日 12時

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