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19、転校 ページ19
ある日のお昼休み。
いつものように茜たちとくつろいでいる時にそれは起きた。
「栗原〜、呼んでるよ」
教室の入り口近くに座っていた男子が私を呼んだ。
「なに？」
ゆっくりその声の方に向かった私の脚が、ピタリと止まった。
「あ……。ちょっといい？話があるんだけど」
そこにはなんと、吉村が立っていた。
なんで？
吉村が私に何の用があるというのか。
彼に言われるがまま、階段の踊り場までついていく。
ドキドキドキ。
無駄に騒ぐ心臓がうるさい。
「あの、さ」
振り返った吉村の顔は、明らかに緊張して見えた。
そんな彼に私の首が無言でコクコクと動く。
「突然なんだけど……俺、転校するんだ」
……え!?
「うそ、どこに!?」
「旭川」
吉村が転校……!?
ビックリし過ぎて言葉が出てこないでいると、吉村が、恥ずかしそうに頭を掻いて、私をもっと驚かせるひと言を放った。
「あの、さ。勝手な話なんだけど…。
もし栗原がまだ俺のこと、考えてくれてるなら、俺と付き合ってくれない？」
……。
……？
「えぇっ!?」
な、なんだ、この展開は!?
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作者名：ユチコ | 作成日時：2018年7月1日 12時
