*:..。o○☆アイノカタチ4*:..。o○☆○o

156、入院 ページ9

「涼が入院！？どうして！？」


テーブルの上の紅茶がパチャンと揺れた。
前のめりになった私の肩を「落ち着いて」茜がそっと押し戻した。


「あたしも詳しくはわからないんだけど。拓哉が言うにはここ1カ月くらいかな、涼くんと連絡が取れなくなってたみたいでね。いよいよ心配になって昨日涼くんの実家に電話したら、涼くんのお母さんが涼くんが入院してること教えてくれたって」


「うそ…」


1か月も前から連絡が取れなかったなんて…。

そう言えば私、いつから涼と話してなかっただろう。
地元に帰って来てすぐの頃は、毎日のように電話やメールをしてたのに…。



「ど、どこが悪いの？」

「さすがにそこまでは聞けなかったって」


そんな…。
札幌にいた頃は、どこも悪そうには見えなかったのに…。


「…私、お見舞い行きたい」

「うん、そう言うと思ってたよ。
拓哉も今日仕事が終わったら行くって言ってた」

「私も今から行きたい！病院の場所、拓哉くんに聞けばわかるよね？あ、でも私、車で札幌まで走ったことないけど…」

急に不安になって茜を見つめたら「あ。ごめん言ってなかった？」と私を見て。


「涼くん、こっちに帰って来てるよ。
札幌じゃなくて、こっちの病院に入院してるって」


そう言った。


「病院、札幌じゃないの！？」

「みたい。まぁご家族もみんなこっちにいるみたいだし、こっちで入院した方が都合が良かったんじゃないかなぁ？」

「茜、行くよ」

「え、あ、待って」


ガタン、と立ち上がった私を慌てて茜が追いかけて来る。
テーブルの上の減らない紅茶は、すっかり冷めていた。

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