152、満天の星 ページ5
国道を20分くらい走った頃、右にハンドルを切った川島。
その進路を見てギョッとした。
な、なんだここ…。
先に見えるのは、険しい山道。
外灯なんかひとつもない。今、対向車が来たら避ける場所もない細い山道を、川島の車のライトだけが妖しく光りどんどん奥へと進んで行く。
「あ、のさ…?道……合ってる?」
「大丈夫だから。もう着くよ」
私の不安をよそにどんどん山の中へと入って行った車が、大きな空き地のようなところで停まった。
「着いたよ」
着いた…って。
なにここ?建物どころか、電柱一本見当たらない。
「なんか…すごいところだね」
「うん。車から降りてみて」
そう言った川島が、頼りの綱だった車のヘッドライトを消してしまった。
途端に目の前に広がった闇。
「ま、待って川島」
車を降りた川島に置いて行かれまいと、慌てて私も車から降りた。
足元に広がる草が、私のくるぶしを擽る。
「川島どこっ?」
暗闇の中必死に川島の姿を探すと、背中にトン、と川島の手を感じた。
「ここにいるよ。栗原、上見て」
上……?
言われるがまま顔を上げて
息を飲んだ。
「う、わぁ―…」
そこには満点の星空があった。
「す、すごいすごい!!プラネタリウムみたいっ!!!」
興奮する私を川島が楽しそうに笑ってる。
「見てっ!!天の川までハッキリ見える!」
「うん。笑
俺も初めてここに来た時鳥肌立った」
そう言って、手を繋いできた川島にドキン、とした。
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ユチコ(プロフ) - おにぎり侍さん» 最初から読んでくださりありがとうございます!中学生の出会いから始まった二人の関係が今後どのようになっていくのかも楽しんで貰えるように頑張りますね! (2018年8月19日 17時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - 絵蓮(エレン)さん» コメントありがとうございます!最初から読んでくださってるなんて嬉しいです〜( ;∀;)もっとキュンキュンをお届けできるように頑張りますね! (2018年8月19日 17時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり侍(プロフ) - 1から読みました!中学から大人になるまで…最高です! (2018年8月19日 12時) (レス) id: 3b05885be4 (このIDを非表示/違反報告)
絵蓮(エレン)(プロフ) - 続編おめでとうございます!1の時からずっと見させてもらって、キュンキュンしてます!← 更新頑張って下さい! (2018年8月18日 22時) (レス) id: 75d02ce64f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年8月18日 18時