184、ウェディングドレス ページ37
美香の口から出た名前に。
「… 川島……？」
涼の声色が変わった。
「そ。中学同じだったヤツなんだけど。今付き合ってるんだって。ね？A」
からかうように私をつつく美香を、涼が見ていた。
そして、その視線が私に移るのがわかって喉がゴクン、と鳴った。
言わなきゃ…言わなきゃ、ってずっと思ってた。
だけど。
どうしてかはわからないけど。
涼の声を聞くたびに、言わなきゃ…という決心が揺らいだ。
「…うん。実は付き合ってるんだ」
こんな形で伝えた私は、ずるい。
なのに。
数秒黙って私を見ていた涼が
「…そっか。良かったじゃん！」
そう言って、優しい笑顔で笑った。
それからホテルの人の案内でチャペルへと移動して。
新郎側に並んだ涼とはそこで別れてしまった。
ピアノの生演奏に乗って、バージンロードを茜と茜のお父さんが歩いて来た。
「茜、めっちゃキレイ〜〜〜っ！！」
小さく興奮する声が美香と被る。
目を潤ませながら茜を拓哉くんに渡した茜のお父さん。
そして、拓哉くんが茜のお父さんに深く深く頭を下げる姿を見て、なぜか涙が止まらなかった。
ビスチェタイプの真っ白のドレスを着た茜は、ずっと幸せそうに笑っていた。
この日の茜は、今までで一番キレイで、幸せそうで。
とても輝いていた。
私にもいつかこんな日が来るだろうか。
目を閉じて想像した。
バージンロードをお父さんと一緒に歩き。
その先に、白のタキシードに身を包んだ川島が待っててくれる。
そんな日がいつか、来てくれるだろうか。
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ユチコ(プロフ) - おにぎり侍さん» 最初から読んでくださりありがとうございます！中学生の出会いから始まった二人の関係が今後どのようになっていくのかも楽しんで貰えるように頑張りますね！ (2018年8月19日 17時) (
レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - 絵蓮(ｴﾚﾝ)さん» コメントありがとうございます！最初から読んでくださってるなんて嬉しいです〜( ;∀;)もっとキュンキュンをお届けできるように頑張りますね！ (2018年8月19日 17時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり侍(プロフ) - 1から読みました！中学から大人になるまで…最高です！ (2018年8月19日 12時) (レス) id: 3b05885be4 (このIDを非表示/違反報告)
絵蓮(ｴﾚﾝ)(プロフ) - 続編おめでとうございます！1の時からずっと見させてもらって、ｷｭﾝｷｭﾝしてます！← 更新頑張って下さい！ (2018年8月18日 22時) (レス) id: 75d02ce64f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユチコ | 作成日時：2018年8月18日 18時
