182、親友の結婚式 ページ35
幸せいっぱいの夏が足早に過ぎ、残暑が厳しい９月になった。
鏡の前。必死にセットした髪の毛をチェックして、黒のロングドレスに身を包みくるりと回る。
うん、オッケー。
「じゃあお母さん、行って来ます！」
母に手を振り、迎えに来たタクシーに乗ってバッグの中から便箋を取り出した。
大丈夫だよね？変なところないよね？
何度も確認するのは『友人代表』のスピーチで披露する文章。
今日は、茜の結婚式だ。
「A〜！」
会場に着くと、ロビーの隅に置かれたソファーの前で私を見つけた美香が大きく手を振った。
「美香！久しぶり！」
久々に会った美香と自然にハグ。
肩下まで伸びた髪にかけられた強めのカール、アイライナーまでしっかり引かれた美香は、すっかり「大人の女性」だった。
「元気だった？」
「うん、美香は？」
「見ての通りよ。笑」
札幌で医療メーカーを扱う会社の事務をしている美香に会うのは、実に半年振りだった。
「美香ったらすっかり都会の女って感じになったわね。彼氏とはうまくいってるの？」
「あ、言ってなかった？間に付き合ってたバイト先の彼とは別れちゃって。今は職場の上司と付き合ってるの」
「え、いつの間に！」
「Aは？なんかキレイになったし。彼氏でも出来たんじゃない？」
美香の言葉に、だらしなく私の顔が緩んだ。
「あー…、実はね？今、川島と付き合ってるんだ…」
私の言葉に「は？」と短く言った美香が、数秒後。
「えええぇぇぇぇぇっ！？！？」
ロビー中に響き渡るような声をあげた。
「うそっ！？なんで！？なんでそうなったのっっ！？」
興奮して大きな声を出す美香に私の口があわわ、と震える。
「ちょ、美香！声が大きい…っ！」
私の忠告なんか聞こえなかったように「なんで！？なんでっ！？」と騒ぐ美香を、たしなめてる時だった。
「うっせーわ、お前ら。笑」
聞こえて来た声に振り返った。
「涼くん!」
「美香ちゃん、久しぶり」
そこにいたのは、涼だった。
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ユチコ(プロフ) - おにぎり侍さん» 最初から読んでくださりありがとうございます！中学生の出会いから始まった二人の関係が今後どのようになっていくのかも楽しんで貰えるように頑張りますね！ (2018年8月19日 17時) (
レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - 絵蓮(ｴﾚﾝ)さん» コメントありがとうございます！最初から読んでくださってるなんて嬉しいです〜( ;∀;)もっとキュンキュンをお届けできるように頑張りますね！ (2018年8月19日 17時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり侍(プロフ) - 1から読みました！中学から大人になるまで…最高です！ (2018年8月19日 12時) (レス) id: 3b05885be4 (このIDを非表示/違反報告)
絵蓮(ｴﾚﾝ)(プロフ) - 続編おめでとうございます！1の時からずっと見させてもらって、ｷｭﾝｷｭﾝしてます！← 更新頑張って下さい！ (2018年8月18日 22時) (レス) id: 75d02ce64f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユチコ | 作成日時：2018年8月18日 18時
