174、修学旅行の謎 ページ27
「疲れたよね。少し座る?」
そう言って木陰のベンチに川島と並んで座った。
「…中学か。懐かしいな」
ポツリと言った川島に、大きく頷いた。
「あの頃は早く大人になりたいとか思っていたけど、意外とあっという間だよね」
「ん。でも、もう一度あの頃に戻りたいって思ったことない?」
「あるある!私なんてしょちゅう思ってたよ」
ふふっと笑い合う川島と私。
…ほんと不思議。
あの頃はこんな風に手を繋ぐ日が来るなんて考えてもいなかったはず。
…あ。
「そう言えば私、川島に聞いてみたい事があったんだ」
思い出し切り出すと「なに?」川島が私を見た。
「修学旅行の夜ね?川島、私たちの部屋の前にいたことあったじゃない?
あれってホントはなんだったの?」
「……え。なんでそんなこと思い出すの」
「あの時大倉が、賭けに負けたら告白がどうとかって言ってたんだけど……」
「そこまで知ってたんだ!?」
困ったように笑う川島に少しずつドキドキが早まってくる。
「川島…負けたの?」
「…うん。笑」
「……じゃあ誰かに告白しようとしてたの?」
私の質問に、驚いたようにこっちを見た。
「誰って…。そんなのもうわかってるじゃん」
その顔が。
照れたように笑ったその顔が、中学生の頃の川島と重なって見えて
自分で聞いたくせに、カーッと顔が熱くなった。
ほ、ホントだったんだ。
あの時の大倉の話、ウソじゃなかったんだ、なんて今頃になって大倉に感謝。
「あ〜、それにしても本当に暑いな…」
照れ隠しなのか、私の手を離した川島がTシャツの襟元をパタパタと仰ぐ。
そんな彼の真っ赤な耳が愛おしくて
キュンキュン締め付ける胸が、苦しくなった。
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ユチコ(プロフ) - おにぎり侍さん» 最初から読んでくださりありがとうございます!中学生の出会いから始まった二人の関係が今後どのようになっていくのかも楽しんで貰えるように頑張りますね! (2018年8月19日 17時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - 絵蓮(エレン)さん» コメントありがとうございます!最初から読んでくださってるなんて嬉しいです〜( ;∀;)もっとキュンキュンをお届けできるように頑張りますね! (2018年8月19日 17時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり侍(プロフ) - 1から読みました!中学から大人になるまで…最高です! (2018年8月19日 12時) (レス) id: 3b05885be4 (このIDを非表示/違反報告)
絵蓮(エレン)(プロフ) - 続編おめでとうございます!1の時からずっと見させてもらって、キュンキュンしてます!← 更新頑張って下さい! (2018年8月18日 22時) (レス) id: 75d02ce64f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年8月18日 18時