検索窓
今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:31,228 hit

140、結婚の理想像 ページ42

夜、ベッドで大の字に転がっていると茜から電話が来た。


『どうだった?初出勤』

「ほんっとうに疲れた…ちょ、聞いてよ茜!」

茜の声を聞いた途端、今日一日で溜まった物が溢れ出て止まらなくなった。


「珍しいね。Aが人のこと悪く言うなんて」

「笑いごとじゃないんだよ〜…。その佐藤さんって人、ほんっとうに冷たいんだから!」

『まぁ大丈夫だよ、Aなら。きっと上手くやっていけるって」

「そうかなぁ?」


上手くやっていけそうな気なんか全然しないんだけど。

私の話を聞いて楽しそうに笑ってる茜に、つい心の声が洩れた。



「……いいなぁ、茜は」

『ん〜?なんで?』

「だってもう結婚準備も着々と進んでるんでしょう?来月には顔合わせだっけ?」

秋に挙式が決まった茜が「まあね」と笑う。


『悔しかったらAも早く結婚しなさいよ』

「んなこと言われたって」


結婚ばかりはひとりじゃどうすることも出来ないわけで。




茜との電話を切ってから、ベッドの上でひとり悶々と考えた。

「結婚ねぇ…」


美波の結婚や直の誕生。
茜の結婚を目の当たりにして、『結婚』というものが少しだけ身近になって来たこの頃。


いつか私も結婚したりするのかな…?
そして直みたいな可愛い赤ちゃんを産んだりするのかな。

っていうか。
その前に誰と結婚するんだろ。


ふと、川島との結婚生活を想像した。


朝。まだぐっすり眠っている川島を『おはよ』って優しく起こしたりして。
気付いた川島がまだ眠そうな目を少し開けて私を見て軽く笑って。

『…ん、もう朝…?まだ寝ようよ…』

って言いながら手を引っ張られてそのままベッドに引き込まれて…



「うぎゃぁぁぁぁっ!!」


バカかっ、バカなのか私はっ!!
なんてこと想像してるんだ…っ!!

バンバンと熱くなった顔をクッションに打ち付けた。


川島に触れた事さえないのに!手を繋いだことさえないのに!


「…欲求不満かって…っ」


誰もいない部屋の中、恥ずかしくてクッションに顔を埋めながら。


…でも。

想像でも妄想でも、川島の隣に私がいるって考えただけで

簡単に胸が熱くなって

簡単に今日一日が幸せになった。

141、ストレス→←139、社会人として



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (30 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
24人がお気に入り
設定タグ:オリジナル , 恋愛 , 青春   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ユチコ(プロフ) - なしなぎさ( =^ω^)さん» コメント&ニヤニヤありがとうございます笑 大好きと言ってもらえて嬉しいです( ;∀;)更新頑張ります☆これからもよろしくお願いします^^ (2018年8月6日 19時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
なしなぎさ( =^ω^)(プロフ) - これ見ていつもにやにやしてます…←変態wこのお話大好きです!更新いつも楽しみにしてます!これからも頑張ってください! (2018年8月5日 17時) (レス) id: 807497c1ec (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - れもねーるさん» コメントありがとうございます!最初から見てくださってありがとうございます(T_T)出来る限り更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします☆ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - 亜夢さん» コメントありがとうございます!最初から見てくださっているのですね( ;∀;)嬉しすぎます(T_T)亜夢さんもお体にお気をつけて!応援ありがとうございます!頑張りますね☆ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
れもねーる - 最初から見てます!これからも更新頑張って下さい! (2018年8月1日 10時) (レス) id: 34bb338129 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月30日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。