130、就職活動 ページ32
冬休みが終わり学校が始まった頃、例年にないくらいの大雪が降った。
英語の講義を受けながら窓の外の降り続ける雪をボーっと眺めていたら。
「ねぇ」
いつの間にか私にピッタリ椅子を寄せたなっちが小声で話し始めた。
「あたし、やりたいことみつけちゃった」
「やりたいことって?」
「あたしね、女子アナになるわ」
「女子アナ?」
ちょっと大きくなってしまった声に教授が振り返った。
「え、なにどういうこと?」
「あ、ヤバ。この先生私語にうるさいんだった。後で話すね」
じろじろと見ている教授ににっこり笑ったなっちが、元の場所に戻っていく。
なになに突然。
女子アナってなんだんだ?
昼休みになっちと一緒に向かった学食。
やった!今日の日替わり、一番人気のハンバーグ定食だ!このソース異常に美味しいんだよねぇ。
「で。女子アナってなに?
だってなっち、歯医者さんの事務に内定貰ったって言ってたよね?」
目の前のハンバーグ定食を見ながら割り箸を割ったら、私が食べる前に私のハンバーグを摘まんだなっちが目を輝かせた。
「あ、もうその内定断っちゃった。ってかこのハンバーグ美味しい!あたしもそっちにすれば良かった〜」
「え、内定断っちゃったの!?」
「うん。実はねお正月に親戚のお兄ちゃんに会ったんだけど、その人今テレビ局で働いてて。あたしを見た途端女子アナとか似合いそう〜って言ったんだよね」
「あ〜確かに似合いそうだよね。で?」
「なにが?」
「え?それだけ!?」
「うん。なんで?」
「言われた瞬間、あたしに似合う職業はこれかもしれない!って思ったんだよね」って。
驚く私を無視してオムライスを頬張るなっち。
わぁ…信じられない。
親戚のお兄ちゃんに言われたひと言で決まっていた内定蹴っちゃうとか、私なら考えられない。
まぁ…なっちらしいと言えばなっちらしい気もするけど。
「ちょっと。笑ってるけどAこそ、そろそろ本気で就活した方がいいんじゃない?」
笑いが止まる。
「ですよね」
一応地元の企業の面接は何個か受けたんだけどね。
全滅ってヤバイよね。
卒業まであと2ヶ月ちょっと。
このままだとニート確定。
これはヤバイ。本気でどうにかしなければ。
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ユチコ(プロフ) - なしなぎさ( =^ω^)さん» コメント&ニヤニヤありがとうございます笑 大好きと言ってもらえて嬉しいです( ;∀;)更新頑張ります☆これからもよろしくお願いします^^ (2018年8月6日 19時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
なしなぎさ( =^ω^)(プロフ) - これ見ていつもにやにやしてます…←変態wこのお話大好きです!更新いつも楽しみにしてます!これからも頑張ってください! (2018年8月5日 17時) (レス) id: 807497c1ec (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - れもねーるさん» コメントありがとうございます!最初から見てくださってありがとうございます(T_T)出来る限り更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします☆ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - 亜夢さん» コメントありがとうございます!最初から見てくださっているのですね( ;∀;)嬉しすぎます(T_T)亜夢さんもお体にお気をつけて!応援ありがとうございます!頑張りますね☆ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
れもねーる - 最初から見てます!これからも更新頑張って下さい! (2018年8月1日 10時) (レス) id: 34bb338129 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月30日 11時