79、拒めない ページ29
「ちょ…っ、ちょっと待って!ストップ!!」
ビックリして恥ずかしくて、両手で思いっきり彼を押し退けた。
「……やだ?」
「や、やだとかそういう事じゃなくて…っ」
言った途端すぐにまた抱きしめられ、そのままベッドの上に押し倒された。
「涼くん!! 本当にちょっと待って…っ」
自由にならない手足をジタバタさせるが、涼の身体はビクともしない。
そしてそんな私を熱の籠った顔で見下ろしながら涼が言った。
「A…。俺、本気でAが好きだよ。だからAを抱きたい。
でも……どうしても嫌ならここで止めるから」
そ、そんな切ない目でそんなこといわないで!
「本当に嫌とかじゃなくて…あっ、お兄さん!お兄さんもいるし!!」
「兄貴ならさっき出かけたよ。しばらく誰も帰ってこないよ」
な、なんて!?
「A……好きだよ」
私の首筋に涼の熱い息がかかる。
涼の唇が肌に触れる度に、くすぐったくて恥ずかしくてどうしていいかわからなくなって…。
「……嫌なら今言って。
こっからはきっと止めらんない…」
耳元でそう聞こえたと同時に
涼の手が制服の中へと入って来た。
「……あっ」
私の肌を滑るように触る涼の手はとても熱くて
触れられた私の肌まで熱くなっていく。
「……いいの?」
涼の胸を押す手にすっかり力が入らなくなった私を、男の顔をした涼が見下ろした。
……いいかどうかなんてわからない。
何も考えられない。
だけど。
拒めなかった。
拒む理由がないと思った。
だから。
返事の代わりに、私は自分の手を静かに下ろし、ゆっくりと目を瞑った。
そして、それを合図に
涼は私の制服のボタンをひとつずつ外していった。
窓から子どもたちの笑い声が聞こえた。
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ユチコ(プロフ) - Blueheartさん» コメントありがとうございます!嬉しい〜( ;∀;)更新頑張ります〜☆ (2018年7月29日 16時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 更新頑張ってください! (2018年7月26日 18時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月16日 12時