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53、はっきり言って欲しい ページ3

私、何をしたいんだろう。
会いに行って、何をどうしたいんだろう。


すっかり自信をなくしたままトボトボ歩いていたら、いつの間にか川島の家に着いてしまった。


ポケットから携帯電話を取り出し、真っ黒な画面を見つめる。

……どうせこのままじゃ川島が何を考えてるのか全然わからないんだし。
話さないことには何も始まらない。


覚悟を決めて川島に電話をかけると『今行くから』数分もしないうちに川島が家から出て来た。


ドキン、胸が鳴った。


久しぶりに、彼を見た。
部活のせいか、以前会った時より肌が小麦色に焼けていた。



「えっと、ごめんね、急に…」


そう切り出した私をちらっとみた彼が、「ううん」と首を振りながら視線を地面に逸らした。


あ……ウソ。
本当に会うのが嫌だったのかも…。

私が来たことが本当に迷惑そうに見える川島の態度に言葉を無くしていたら。
痺れを切らしたのか、今度は川島が口を開いた。


「話って…?」


さっきまでドキドキしていた胸が、ドックンドックン大きく波打つ。

これって、さっさと話して帰れってこと……?
携帯を握り締める手に力が入る。

緊張とは違うドキドキで油断したら脚が震えそう。


だけど、私が話したいって言ってここまで来たんだ。
このまま帰るわけにはいかない。



「あの、ね?最近会ってもいないし、話もしてないよ、ね……?」

絞り出すような私の言葉に「うん」川島が頷いた。



「川島はどう思ってるの…?」

「…どうって?」

「…付き合っていくこと。どうしたいと、思ってるの……?」


その言葉に川島が黙り込む。



……あぁ。もう。

「ハッキリ言ってくれてもいいよっ?」


半分、ヤケクソだった。


彼の態度が。
彼の表情が。

次の言葉を物語っていたから。



覚悟を決めたような私の言葉に

やっと川島が、顔を上げた。



「……ごめん」

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設定タグ:オリジナル , 恋愛 , 青春   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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ユチコ(プロフ) - Blueheartさん» コメントありがとうございます!嬉しい〜( ;∀;)更新頑張ります〜☆ (2018年7月29日 16時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 更新頑張ってください! (2018年7月26日 18時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月16日 12時

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