余談（新しい方） (ページ32)

今日:6 hit、昨日:10 hit、合計:32,266 hit

＊ページ32

「…そういやさ、真島くんって結婚しとらんよな？」

「せやで。結婚どころか彼女もおれへん。もう時期
４０なるのにな」

「私からしたら信じられへんねんけど。友達思いで申し分ないくらいかっこええ男が、未だに独身なんて」

「な。なんで俺みたいなええ男、女はほっといてんねやろ」

思ってた以上に食い気味できたので笑わずにはいられなかった。

「今度職場の女の子、紹介してあげよっか？」

仮もあることやし。
これが私のできるお礼やと思うし。

「ほんまに？また今度連絡してや」

３０過ぎの後輩(私が思うに、結婚したくてたまらない年齢)何人かに声かけとこ。

真島くんはというと、さっきまでのパッとしない顔付きはどうしたことか、今はルンルンで白米を頬張っている。

…モテそうやのになぁ。
仕事もしっかりやってるやろうし、顔も割と整ってるし、性格もええのに。

でも優しすぎるから、気を使い過ぎて結局振られてまうんかな…

そんなどうでもいいことを考えながら、フォークにパスタを巻いて、口に入れた。

＊＊＊＊＊＊＊

その後、独身男のぼやきをさんざん聞いた挙句、お開きとなった。

「ただいま」

玄関を開けると、奥から元気よく子供達が飛びついて来た。

「「お母さん、おかえり！！」」

「ただいま。まだ起きてたの？」

「うん。お母さん帰ってくるのみんなで待ってた」

嬉しいことを言ってくれるじゃないか。
そんな愛しい我が子の頭を撫でた。

「おかえり、」

奥から旦那も出迎えてくれる。

「ただいま。…もう、二人とも寝るばっか？」

「おぉ。歯磨きとかも全部して、お母さんの帰りを今か今かと待ってたところ」

「そっかぁ…じゃあ、駿太も優奈もおねむやね」

「うん…眠い」

ほんとに眠そうな二人を寝室に連れてって、布団に寝かせた。
だいぶ眠かったようで、数分で眠りに落ちた。

寝顔を見つめていると、夫が横にやってくる気配を感じる。

「…二人とも寝た？」

「うん。寝たよ」

夫が横に腰掛けて、私と同じような姿勢をとった。

「…寝顔、可愛いな」

「ねっ。親バカだけど」

しばらく二人で肩を並べて、子供達の寝顔を見つめていた。