余談（新しい方） (ページ4)

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第１章　再開ページ4

そんなこんなで翌日、俺は同窓会のある大阪のとあるホテルに向かった。ホテルのホールの一室を借りて、同窓会は開かれる。今日は中学の同窓会。

行事を率先してやる連中の気が向いた時に開かれるので不定期開催。不定期といっても大体３～５年に一回はある。３年前の前回と７年前の前々回は仕事の都合で行けなかったので、行くのはかれこれ約１０年振りとなる。その分、楽しみが大きい。

同級生に会えてない期間もあいまって、ルンルン気分で受付にいる幹事に出席を告げた。

「おっ、濱家や。今回は来てくれた」

「おぉ、来たで」

「ずいぶん久しぶりちゃうか？だって前は語らんかったやろ？」

「せやねん。仕事重なって行かれへんくて。だからみんなに会うのはほんま久しぶりやわ」

「せやな。まぁ、ゆっくり今日は楽しんでって」

「ありがとう」

不思議なものた、何年も経って大人になれば、学生時代にそこまで話してなかった子ともまるで親友のように会話が弾む。なんか嬉しいわ。

「あっ、濱家くん！」

「濱家や！」

そして反応が１０年前とまるで違う。俺、売れたんや…と自惚れていると、

「隆一！」

名前を呼ばれ、肩を叩かれた。その顔を見てみると、

「…あぁっ！ノリ！」

中学の時一番仲が良かった真島典良や！お互い忙しいけど、同窓会以外でもたまにプライベートで会う仲の親友だ。

「待っとったで！」

「ノリや！」

「おー！今回は来れて良かったなあ」

「せやなぁ。でもびっくりや。みんなの俺見た時の反応、全然ちゃうかった」

「あー、もうすっかり売れっ子やもんなぁ。最近テレビでよう見るで」

「Ｍ－１が効いてる」

「やっぱそうなんや」

「うん。出てよかった」

そこからはお互いの仕事や家庭の話を一通りして、美味しそうな料理を食べてたら、控えめに声を掛けられた。

「濱家くん…？」

「？…あっ、」

振り向くとそこにはどことなく面影はあるが、中学の時とだいぶ変わった女性…夏木A…

「覚えてる？」

俺の初恋の人がいた。