I am…【1】

太陽 ページ5

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「………ん……」






目を開けると明るい光が差し込んできて。
あまりの眩しさに暫く動けなかった。





その間にこれまでの事を整理させる。






昨日は仲間のギークが開発した、
時空を超える転送装置の試運転を行なっていた。



そこで出逢った同姓同名、顔もそっくりな山田涼介を俺の代わりに未来へ送った。




彼がいたすぐそばに鞄が落ちていて。


それを調べると、財布に入っていたカードに記載されていた住所がおそらく彼の住居だと判断しそれを頼りに向かった。



人の居住区を荒らすようで少し気が引けたが、風呂と服を借りて、そのままベッドで眠った。









そして今。



電気をつけていないのに明るい部屋。

カーテンから差し込む陽の光。



時計を見ていないのに今が朝だって分かる。




カーテンを開け、外に出るととても暖かかった。







コマ「これが…太陽…」






生まれてから1度も見たことがなくて、おとぎ話にさえなっていた。







俺はずっと太陽が見てみたかった。







そんな話をすると周りの奴らは「見れるわけがない」「現実を見ろ」とバカにしてきた。



俺の妄想なんかじゃない、
太陽は…本当に暖かかったんだ。








コマ「……良い世界だ」







外を見渡しても、どこにも煙が上がっていない。暴動が起きていないってことだ。


歩く人はみんな薄着で、整備された平坦な道を自分のペースで歩いている。


防護服もフェイスシールドも必要ない世界。






こんな世界に、俺も生まれたかった。

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