I am…【1】

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大型のショッピングモールに車を停め、
店内に入ると山田は真っ先に食品売り場へ向かった。



俺はカートを引いて山田の後ろを追いかける。




大「で？何買うんだ？」

コマ「苺」

大「苺？…あるかなぁ…今旬じゃないし」

コマ「え、無いの？」

大「果物って季節によって出来る物が違うんだよ。
苺は12月からギリ5月くらいまでかなぁ…。
季節外に売ってる事もあるけど味がちょっと落ちるし値段も高い」

コマ「そうなんだ…。200年後は1年中寒いから、知らなかった」




太陽が無いという山田の時代は、四季の概念が薄いらしい。



「1番美味しいのが良かったな」なんて少し悲しそうにする山田。
そんな苺好きだったのか。






大「…うーん…桃じゃダメ？桃も美味しいよ。今が旬だし。
あっ、ほら！試食やってる！」




落ち込む山田を桃の売り場に案内し、
試食を1つ摘んで渡す。


桃を初めて食べたという山田は口に入れた瞬間、微笑んだ。




コマ「おいしい、甘い」

大「でしょ？」

コマ「これ欲しい。たくさん」

大「じゃ箱ごとカート入れてー」




嬉しそうに桃の箱をカートに入れた山田。
ご機嫌だな。



次は何を買うのかと思えば米。


1番美味しいのはどれかと聞かれ、1番高いブランド米は絶対美味しいと伝えれば迷わずそれをカートに入れた。




大「え！？入れちゃうの！？」

コマ「ダメ？」

大「いやいいけど…うん。一般的にはあっちの方が買う人多いけどね。
どれも美味しいから量が沢山ある方選ぶのが普通…てか無難かな」

コマ「でも1番美味しいやつがいいの」

大「まあ、山田がそれでいいならいいんじゃない？」




その後も山田は食品売り場を全て見て回って、
気になった物の中から1番美味しいのを俺に聞き、
それを全部カートに入れた。


会計の金額をみて驚愕…。




ま、まあ…山田が稼いだ金だし、普段物欲全くと言っていいほど無いもんなっ。


俺も勢いよく買えるように、仕事頑張ろう…。






大「食品だけで良かったの？」

コマ「うん」

大「大家族並に買ったね」

コマ「…うん。楽しみ」




楽しみ？


運転中って事もあり、あまり深くは突っ込まずにした。

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