I am…【1】

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薮side






何十人もの警察があの男とコマンダーを囲っている。



今までの出来事を間近で見ていた俺たちは、
誰一人としてその場から動けなくなっていた。




コマンダーの素早い動きや、気迫に翻弄され、


そしてコマンダーに敗れた男から出てきた証言。






アイツが…涼介を…っ。

拳をギュッと握る。


悔しくて仕方がない。




確かに涼介は生きている。
…生きているが、コマンダーが居なかったら死んでいたんだ。





光「…おい薮。コマンダーやばいんじゃない？」

薮「っ、ああ、だよな…」




光の声に意識を戻す。


コマンダーは拳銃を持ったまま動かない。



警察の人も、コマンダーが“山田涼介”であり被害者であると分かっているが、凶器を持っている以上大きく動けないでいる。




呆然としているコマンダー。
…どうしたんだ？








カシャンッ




コマンダーの手から拳銃が抜け落ちた。









コマ「……こ、怖かったぁ…っ！！」







膝をついて泣き出したコマンダー。



警察は直ぐに動いた。


拳銃の回収、男の拘束、コマンダーを囲い安全な場所へ誘導させる。






薮「コマッ……涼介！！」



コマ「薮くん…！怪我してない！？
良かった無事で！！
薮くんが撃たれそうになって俺っ、ビックリして体当たりしちゃったけど…まさか、椅子に頭ぶつけて気絶するとは思わなかったよね…！」

薮「……え」

コマ「でもすぐに警察が来てくれて良かったです…！
本当、一瞬死を覚悟しましたもん！！」





泣きながらも饒舌に話すコマンダー。


警察はその話を聞いて、コマンダーに同情の目を向けている。





「この後、また事情を聞かせて下さい。
ここは立ち入り禁止になるので一度控え室にお戻り下さい」




警察の人にそう説明されて、俺たちは楽屋へ戻る。




その間もグズグズと泣いていたコマンダー。





しかし楽屋に着いた途端、ケロッとしながら「疲れた」と溢した。

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