I am…【1】

紅い瞳 ページ16

大貴side





大「おーい山田ぁ。迎えに来た……って、またベランダにいるし」

コマ「大ちゃん」






あのありえない話があってから1週間。





俺たちの中でも色々と整理はついて、
山田も昨日から仕事に参加している。





昨日の雑誌撮影で最初こそタジタジだったのにいつの間にか慣れていい顔をカメラに向けていた。


聞けば、アイドル山田涼介の雑誌をくまなく見て研究したんだと。



順応性が高いみたいで、俺たちのサポートが無くても上手くやっていけている。






それでもやっぱり、細かいところが俺らの常識とは違うみたいで。

1人にさせるのはまだ早いと判断した結果、
仕事の時は誰かが迎えに行く制度を作った。





太陽が大好きなこいつはいつも外にいる。

気づいたら窓際にいることが多い。


日焼けしたと子供みたいに喜んでいた。





大「ほら行くぞ」

コマ「歩いて行くんでしょ？」

大「駅までだけどな。
…それ持っていくの？」





山田の背中には布で包まれた細い棒状のものが。


ハイテクな刀らしい。




コマ「これがないと落ち着かない」

大「……絶対中開けんなよ？」



銃刀法違反で捕まるからな。
芸能人のスキャンダルってマジで怖いから。





しっかり変装をさせて外に出て、駅までの道のりを歩く。



山田は忙しなく辺りをキョロキョロさせている。





大「落ち着けって。昨日も見たでしょ？」

コマ「何度見ても飽きないよ。ほらみてあの花。昨日は蕾だったのに。今日は咲いてる」

大「…そうですね」

コマ「太陽の力ってすごい」

大「そうですね……って、うぉい！そっちじゃないから！勝手にどっか行かないで！」

コマ「あ…ごめん」





すぐ興味のある方へ行くもんだから、目が離せない。




幼い弟が出来た気分だ。

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