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「A。」
『わ!こんにちは!』
水槽で泳ぐ魚を眺めていた。
いつの間にか隣に立っていた彼。
「これはヒシダイだね。」
『詳しいですねぇ〜。』
私からすれば魚は全部一緒に見える。
見ただけで分かるなんて、彼は随分と博識だなあ。
「花に花言葉があるように、宝石にも宝石言葉があるのは知ってるかい?」
『はい!有名なのは薔薇の"貴方を愛しています"ですよね!』
「ふふ、そうそう。」
彼は私の頭を撫でる。
「じゃあ魚言葉は知ってるかい?」
首を傾げた。
『魚言葉……ですか?』
「うん。と云っても存在を知っているだけで、詳しくは知らないのだよ。」
「ごめんね。」と眉を下げる彼。
首を振って水槽を見る。
薄暗い照明に照らされ、遊々と泳ぐ魚たち。
私に近づいては逃げて行く。
気が付けば彼は居なかった。
1時間も経っていないのに。
寂しいと云う感情が、酷く胸に残った。
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作者名:くろす | 作成日時:2023年8月31日 16時