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幸せな時間 ページ1
「A。」
可愛らしいぬいぐるみに囲まれて現れた彼。
『今日も来てくれたんですね！』
クセ毛の彼に微笑む。
彼は私を見下ろして「面白い話を持ってきたよ。」と云った。
『わあ！嬉しいです！』
ぱちん、と手を合わせれば現れるテーブル。
その上にはティーポットとティーカップ。
『どうぞ！』
「ありがとう。」
紅茶を注いでお菓子も用意する。
ぬいぐるみを抱きしめ、彼の顔を見る。
目が合うのを合図に彼は口を開いた。
1時間後、彼は帰って行った。
毎日会いに来ては1時間で帰って行く彼。
少し寂しい。
まるで元々居なかったかのように感じるから。
けれども、少しも中身の減っていないティーカップは彼が存在していた証拠だった。
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作者名：くろす | 作成日時：2023年8月31日 16時
