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今日は音柱の宇髄さんと合同訓練です。
「てことで宇髄さんよろしくね!」
宇髄「承知した!」
「宇髄さんに多めに話しかけるので」と、冨岡さんの件と共に朝1番に伝えてからはや10時間程。
訓練も終わり夕食の時間になっても冨岡さんには変化なし。恐らく作戦意味なし。
うーん。
ひとつ屋根の下でも理性を抑えるのがうまいのか、はたまた理性の"り"の字すら動かない程の色気のなさかわたし、と頭を抱える。
宇髄「もう帰んのか?せっかくこっちまで来たんだ、訓練も疲れただろうし風呂でも入って行ったらどうだ」
帰ろうと立ち上がった私に掛かってくる声。お嫁さん達は「そうときたらお風呂準備しなくちゃ!あ!部屋着も!」と言ってパタパタと部屋を出ていく。
準備が早いなぁ、もうこれは甘えるしかない。
「なんか嫁って響きいいなぁ、恋人よりも確固たるものがあって家族だなぁって感じ」
宇髄「だってよAの旦那」
冨岡「俺は旦那じゃない」
「も〜ほんとにドライだなぁ、こういう時は女心をくすぐること言ってほしい〜〜!」
表情変えずサラッと流す彼を見て、まあ冨岡さんらしいなと思いつつ不貞腐れてるとわたしの腰に手を回してきた宇髄さんが耳元で囁いた。
宇髄「んじゃあA、俺の嫁になっちゃう?」
「ちょ、ま、宇髄さん、近っ…い!?」
宇髄「嫁が4人いようと俺は女に寂しい思いはさせねぇから、どう?俺の嫁、なる?」
腰に回した手に引き寄せられて宇髄さんに抱き締められる。
え、こんなの予定外だし宇髄さんにもここまでは頼んでない。
スス、と腰を滑る宇髄さんの手と、距離が近くて顔に触れてくる髪の毛がくすぐったくて思わず「…ひゃ!」と声が出た。
宇髄「Aの旦那はこんな声聞いたことないんじゃねぇの?」
わたしの顔にもう片方の手を添えて親指で頬をなぞると煽るように目線だけ冨岡さんの方をチラッとみた。
わたしは腰も顔も宇髄さんに固定されてるから彼の表情は見れない。そのせいで不安になってきて。
この一瞬の間に起こった事、宇髄さんの言葉、お嫁さん達の幸せそうな顔、頭の中をぐるぐるまわる。
愛されてる、大事にされてる、と勝手に思い込んでたけどもしかしたらとんだ勘違いだったのかもしれない。
本当はわたしのこと好きじゃないのかも、でもそしたら今までの日々はなんだったのかな、そう思うと涙が出てきそうになって、グッと唇を噛んだ。
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瑞穂(プロフ) - 作者様はどう思われますか?長文失礼しました (2020年11月12日 20時) (レス) id: e180184c40 (このIDを非表示/違反報告)
瑞穂(プロフ) - キュンキュンしちゃいました。応援しています!話が変わるのですがこの作品の題名と同じ時透君の作品を作ろうと思っています。まだ確定ではないですが。もちろん内容は違うものですが作者様が気になるようですあれば題名を変えようと思っています。 (2020年11月12日 20時) (レス) id: e180184c40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいななせ | 作成日時:2019年11月2日 1時