45話［アイドルミュージック］ ページ48
***
ワアァアア＿＿
響き渡るほどの歓声。
ビリビリと鼓膜を揺さぶり、だけどどこか心地よい音。
［トリガートリガー！］
嗚呼、次はTRLGGERだったか。
「すげぇ人気だな。」
白中心の衣装に所々オレンジのアクセントがある服をみにまとった三月は、ビックリするように呟いた。
『いや、俺は負ける気しねぇよ。』
どこから来るんだよその自信は！と軽くこずかれた。
『んじゃ、俺ちょっと行ってくるわ。直ぐ戻ってくる。』
どこに？という質問が飛んで来る前に、俺はその場を後にした。
『九条さん。』
自分から会いに行くことなどないと思っていた人物の名を呼ぶ。
「おや、君から会いに来てくれるとは。」
ニヤリと口角をあげるそいつに、やっぱり俺はこの人が苦手だと再度認識する。
『俺はアンタの天に勝つ。そしたらアンタはきちんと天を天として見てやるべきだ。変わり身じゃあ輝けるもんも輝けねぇ。』
「君が天に勝つ？」
ククッと九条さんは笑う。
「天は天才だ。対して、君はまだ才能だけでこの業界にいる。」
だからこっちへくれば良かったのだよ、と。
「今からでも僕は歓迎するがね。」
『もう俺の番なんで。』
俺はニコリと笑顔をはりつけ、ステージに向かった。
「おっきたきた。おせぇぞ、お兄さん何あったか心配しちゃったじゃないの。」
『んー、決意表明てきな？』
俺が首を傾げながら言うと、なにそれと予想道理の反応。
A！A！
自分の名前がこの大きな会場に響き、意図せずとも口角が上がる。
『んじゃあ、行ってくるわ。』
カツッとブーツで音をならして、ステージに立つ。
何十人もの視線が、期待が、思いが俺一人に向けられている。
ソロだからこそ、このステージで俺は全てを独り占めできる。
スゥと息を吸い込み、口にマイクを持っていく。
『俺を望め。』
『そして……。』
『俺から目ぇ離したら許さねぇ。』
グッと視線を俺に引き寄せる。
『♪〜＿＿＿』
俺の声が響き、全員の耳を犯す。
何も考えるな、俺だけ見ろ。
このステージにいるのは、アイドリッシュ7でも、TRLGGERでも、Re:vareでもない。
ー開城 Aだー
***
No side
『いらっしゃいませ。』
カランカランっと心地よい鈴の音。
「やっぱりここに…。開城くん、速く準備！仕事ですよ！」
万里さんの焦った声。
「今は忙しいんですから！トップアイドルの自覚を…。」
非日常。
それが日常になったのはつい最近なのである。
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しーちゃん(プロフ) - 咲夜架さん» ありがとうございます！本当嬉しい限りで…！お互い頑張りましょうね！ (2017年3月20日 22時) (
レス) id: 2262265ad5 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜架(プロフ) - しーちゃんさん» ありがとうございます！作者さん、白雨の探偵も書かれていらっしゃったんですね！そちらの作品もお気に入りでしたので驚きました！！どちらの作品もとても面白いです！！これからも応援しています！！ (2017年3月20日 22時) (レス) id: 3417dbbffc (このIDを非表示/違反報告)
しーちゃん(プロフ) - 咲夜架さん» ありがとうございます！とても励みになりました(*^^*)咲夜架さんも頑張って下さい！ (2017年3月20日 20時) (レス) id: 2262265ad5 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜架(プロフ) - しーちゃんさん» レスありがとうございます。全話読みました！すごい、ドS主人公たまりません…！もっとドS見たいです！番外編の更新も楽しみにしてます！ (2017年3月20日 20時) (レス) id: 3417dbbffc (このIDを非表示/違反報告)
しーちゃん(プロフ) - 咲夜架さん» そんな細かいところまで見ていただいてありがとうございます！すいません！スペルミスですね…。すぐ修正させていただきます！ご指摘のコメント、感謝します(*^^*)番外編もよろしくおねがいします！ (2017年3月20日 19時) (レス) id: 2262265ad5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏色ポニテ
| 作成日時：2016年8月20日 8時
