41話［男は皆狼］ ページ44
***
『お疲れ様でした。』
無事撮影が終わり、Aは丁寧に関係者に頭を下げていた。
勿論、アイドリッシュ7のメンバーにも。
「お疲れ様です！相変わらず凄かったですね！」
陸はキラキラとした満面の笑みでAにそう言う。
あまりにも眩しい笑顔に、Aは思わず頬が緩んだ。
「いやー、お兄さんAのこれからが怖いわー。末恐ろしいね、本当。」
『少ししか変わらねぇだろぉが。』
それに完全に俺の台詞…と、Aは眉を潜めた。
「良かったわよ、A。」
ひときわ高い声がAの耳に届き、振り向く前に体に襲いかかる重み。
フワリと香るのは紛れもない、チョコとは違う甘さの匂いで、Aはそれが華澄のものだと瞬時に理解した。
『華澄さん、こんな所で抱きつかないでくれます？』
「あら、こんな所じゃなかったらいいのかしら？」
フフッとAの耳元で笑う華澄。
その様子にAはハァッとため息をついた。
『男にそうホイホイ抱きつくもんじゃねぇだろ。犯すぞ。』
クルッと体制をかえ、華澄の手を上に持ち上げ片手で縛り、腰を引き寄せるA。
それを見ていた陸やら一織やらは勿論のこと赤面である。
「やだー、A君ったら破廉恥ー。」
大和の棒読みの台詞にAは軽く青筋を浮かべながらだったら先に止めろよとそっと華澄から離れた。
『俺だったからよかったけど、華澄さん。美人なんだから気を付けてくださいよ？
男なんて、皆狼ですから。』
ニヤリと艶めかしく口角を上げれば、それを見ていた女性スタッフも顔を赤らめた。
「貴方、本当にタラシですね。」
不愉快そうに冷たくいい放つ一織に苦笑しながらも、俺ぁ自覚があるからいいんだよとあしらうA。
『それに、俺は常識があるだけましだろ。』
その発言に、メンバー全員は心の中で密かに思う。
Aは常識人の仮面を被ったサディストだと。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 640人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しーちゃん(プロフ) - 咲夜架さん» ありがとうございます！本当嬉しい限りで…！お互い頑張りましょうね！ (2017年3月20日 22時) (
レス) id: 2262265ad5 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜架(プロフ) - しーちゃんさん» ありがとうございます！作者さん、白雨の探偵も書かれていらっしゃったんですね！そちらの作品もお気に入りでしたので驚きました！！どちらの作品もとても面白いです！！これからも応援しています！！ (2017年3月20日 22時) (レス) id: 3417dbbffc (このIDを非表示/違反報告)
しーちゃん(プロフ) - 咲夜架さん» ありがとうございます！とても励みになりました(*^^*)咲夜架さんも頑張って下さい！ (2017年3月20日 20時) (レス) id: 2262265ad5 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜架(プロフ) - しーちゃんさん» レスありがとうございます。全話読みました！すごい、ドS主人公たまりません…！もっとドS見たいです！番外編の更新も楽しみにしてます！ (2017年3月20日 20時) (レス) id: 3417dbbffc (このIDを非表示/違反報告)
しーちゃん(プロフ) - 咲夜架さん» そんな細かいところまで見ていただいてありがとうございます！すいません！スペルミスですね…。すぐ修正させていただきます！ご指摘のコメント、感謝します(*^^*)番外編もよろしくおねがいします！ (2017年3月20日 19時) (レス) id: 2262265ad5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夏色ポニテ
| 作成日時：2016年8月20日 8時
