19話［嗚呼］ ページ21
体を揺すられる感覚。
『ん…。もうついたんですか？』
重いまぶたを開けると、目の前にはテレビ。
『あ…れ？』
車の中じゃなく、俺がいるのは見慣れた自分の家だった。
俺はソファの上に座っており、目の前のテレビにはアイドリッシュ7のメンバーの番組がやっていた。
携帯を手に取り、電源をいれる。
表示された日にちは、丁度俺がデビューする三日前だった。
『はっ…長い夢にも程がある。』
立ち上がって乾いた喉をうるわそうとキッチンへ向かう。
「あっ、起きた？いくら揺らしても起きないからほっとこうと思ってたんだけど。」
『は？』
俺と同じストレートの黒髪に、パッチリとした目。
「何？寝ぼけてる？おーいお兄ちゃん？おーはーよー？」
＿＿まぁ、そんな時間じゃないけど。
俺の前でニコッとはにかむその少女。
『蓮華？』
紛れもない、俺の妹だった。
「はーい何でしょう？あっ、それよりお兄ちゃん！今アイドリッシュ7出てたでしょ！
カッコいいよねー、私はお兄ちゃんも負けないくらいかっこいいと思うけど。」
何で。
何で彼女は。
何で俺の妹は。
生きてるんだ？
「あっ、暇なら後で歌ってよ！勿論ダンスつきで。
新作できたんだよ！自信作！！」
待て。
訳がわからない。
「お兄ちゃん？どうしたの？」
やめろ。
違う。
誰だお前は。
アイツはもう居ない。
居ないんだよ。
「歌って、踊ってくれないの？私はお兄ちゃんのせいで踊ることも歌うことも出来なくなったのに？」
ドロドロと蓮華から溢れ出す血液。
赤く、紅く、美しいくらいな鮮やかな色。
やはりもうこの世にお前は居ない。
でも、それでもお前が俺をみててくれるのなら。
お前が俺を恨むのなら。
そして………
『嗚呼、お前が望むなら……。』
俺は誰に望まれなくても死ぬまで歌って踊ってやるよ。
突如体を襲う激しい浮遊感。
遠くから聞こえてくる通る声。
俺は目を閉じる。
そしてゆっくりと再び開くと、目の前に広がるのは、心配そうな皆の顔。
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しーちゃん(プロフ) - 咲夜架さん» ありがとうございます！本当嬉しい限りで…！お互い頑張りましょうね！ (2017年3月20日 22時) (
レス) id: 2262265ad5 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜架(プロフ) - しーちゃんさん» ありがとうございます！作者さん、白雨の探偵も書かれていらっしゃったんですね！そちらの作品もお気に入りでしたので驚きました！！どちらの作品もとても面白いです！！これからも応援しています！！ (2017年3月20日 22時) (レス) id: 3417dbbffc (このIDを非表示/違反報告)
しーちゃん(プロフ) - 咲夜架さん» ありがとうございます！とても励みになりました(*^^*)咲夜架さんも頑張って下さい！ (2017年3月20日 20時) (レス) id: 2262265ad5 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜架(プロフ) - しーちゃんさん» レスありがとうございます。全話読みました！すごい、ドS主人公たまりません…！もっとドS見たいです！番外編の更新も楽しみにしてます！ (2017年3月20日 20時) (レス) id: 3417dbbffc (このIDを非表示/違反報告)
しーちゃん(プロフ) - 咲夜架さん» そんな細かいところまで見ていただいてありがとうございます！すいません！スペルミスですね…。すぐ修正させていただきます！ご指摘のコメント、感謝します(*^^*)番外編もよろしくおねがいします！ (2017年3月20日 19時) (レス) id: 2262265ad5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏色ポニテ
| 作成日時：2016年8月20日 8時
