【アイナナ】紡の兄は小鳥遊事務所に就職します (ページ14)

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お泊まりページ14

彼ならきっと快く泊めてくれるはずだ！
期待を胸に彼の居る方を見ると、

「･････」

そこには三月の姿がキレイさっぱり消えていた。

そして環は、すでに自分の部屋に行き眠りについているらしい。

え？皆して酷くないかな？
確かに今日会ったばかりの人だけど不審者って訳じゃないんだからさ。
助けてやろうって気はないのか？！

メンバー達の行動にショックを受けていると、裾をグイグイと後ろから引っ張られ、声をかけられた。

「Aさん！もし良かったら俺の部屋に泊まって下さい！」

「え？まじ？」

「はい！！」

声をかけてくれたのは陸だった。
女神だ。
彼は女神の生まれ変わりに違いない。
後ろから神々しすぎる光が放たれている。
まぁ、陸は男だけどさ

そして俺は、陸の後に続いて、俺は部屋へと向かう。

「此処です！」

元気よくそう言った後、陸がドアを開け俺を中へと促す。

「お邪魔しま～す！」

中に入ると以外にも綺麗に整理整頓がされていた。
ベッドにもシワ一つないし、本も綺麗に並べられている。

「以外に綺麗だなw」

「意外にってなんですか！」

「ごめんごめんww」

床に座ると陸がテレビを付けてくれる。
明日は５時に起きないといけないし、テレビ見てる暇ないんだよな～

「陸、寝る場所なんだけどさ」

「あ！Aさんベッド使ってください！」

「え？」

「ベッドがいいんですよね？」

「いやいや、そうじゃなくて！ベッド使いたいって事じゃなくて！俺は床で適当に寝るから気にせず寝てくれって言いたかっただけだから！」

「床なんて、風邪引きますよ！」

「そんなの陸もそうだろ？」

そんなこんなで、譲り合いが２０分続き、ようやく結論が出た。

「なら一緒に寝るか」

「え？」

「それなら、この譲り合いも終わるだろう。よーし！そうと決まれば布団に入れ！男二人でってのは、見てて暑苦しいが仕方ない！」

俺はベッドに入り、ポンポンと隣を叩く。
だが陸は、一歩近づいたり離れたりとなかなか此方へと近づいてこない。

仕方ない。
こうなったら････。

俺は陸が一歩前に踏み出した所を見計らって、そのまま腕を掴んで自分の方へと引く。
すると「わぁ！」と可愛らしい声を出し、陸が俺の腕の中にすっぽりと収まった。

「よし。これで寝れるな！」

「あ、あの！ち、近いです////」

「近くなーい！」

頬を赤らめる陸を抱き枕代わりにし、俺は目を閉じて静かに眠りについた。