【アイナナ】紡の兄は小鳥遊事務所に就職します (ページ12)

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一日の終わり２ページ12

～環side～
マネージャーの兄貴と一緒に寮から一番近いコンビニに来た。

「四葉くんは王様プリンだったよね？取っておいで」

「分かった」

返事をしていつも置いてある所にある王様プリンを取りに行くと、

「六個･･･ない。」

そこには、王様プリンがラスト１つだけ置かれていた。

せっかく沢山買ってもらえるのに。
どうして、どうしてこんな時に限ってないんだ！

心の中で叫びながら、俺はラスト１つになった王様プリンを持ってマネージャーの兄貴の傍に行った。

「あれ？一個でいいの？」

「いや･･･これが最後だった････」

俺が俯きながらそう言うと「そっか」と言って目線を他のスイーツへと移す。

なんだよ。
もう少し反応してくれてもいいじゃんか。

そんな事を考えながら数分。
隣でずっと「何にしよ～」とか「これ美味そう！」とか言いながら、なかなか買い物が終わらない兄貴。

早くしてくれよ、

そんな俺の思いも虚しく、それから数十分経ち、やっと買い物を済ませた俺達は、レジへと向かった。
夜のコンビニは、そんなに人も居らず直ぐに俺達の番になった。

帰ったら王様プリン食べて寝よ。

そんなことを考えていると、

「すみません。王様プリンって、もう入荷されてますよね？」

いつも通りの顔でそう店員に聞く兄貴。

「さっき見たら、置いてなかったので。今から出してもらうことって出来ますか？」

「かしこまりました。おいくつですか？」

「１０個お願いします！」

「少々お待ちください」

そう言って頭を下げた店員が奥へと引っ込む。
隣にいるマネージャーの兄貴は、スマホを見ながら「遅くなったな～」とボヤいている。

なんなんだろう。この人

そんな疑問を浮かべながら、俺は店員が戻ってくるまで大人しく待つことにした。

ーーーーーー・ーーーーーー

「帰るの遅くなったな。ごめんな？」

「いや、いいっス」

買い物袋をぶら下げて二人並んで歩く。

俺よりも小さい、この人の横顔を見ながら俺は疑問に思っていたことを口にした。

「なんで、入荷してるって分かったんっスか？」

「ん？あぁ、俺コンビニでも働いた事あってさ！その時の経験上、０時過ぎたら入荷されてる品物を陳列するって決まっているんだよ！」

「物知りだろ～」と胸を張りながらドヤ顔をするマネージャーの兄貴。

「四葉くんは、面白いし可愛いよね」

「は？」

突然の言葉に俺は間抜けな声を出してしまう。