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「山手線ゲーム!」
「いぇーい！！！！」
賑やかすぎて眩しい。
私はこの場の雰囲気に吞まれている。
私たちよりも年上が多く揃っているこのメンツは、茶髪金髪に留まらず、赤やら青やらの髪の毛の人もいる。
よくよく聞いてると、楓と同じバスケのサークルの知り合いの知り合いが集まっているようだ。
長い黒髪を、ご飯を食べるためだけにとりあえず括っただけの私の場違い感といったら...。
とりあえずゲームに交じりながら、目の前のたらこパスタを食す。
楓がご飯代持ってくれるらしいし、一人暮らしはじめたてで、お金に余裕のない私にはありがたい話だ。
今日はご飯を食べに来た。そう思っておこう。
「Aー！ごめーん！気を付けて帰ってねぇ！」
「楓もー！お幸せにぃー！」
二時間ほどたち、舞台はお開きに。
楓はというと、一つ年上のキョースケさん、と呼ばれる人となんかいい感じになってて、このあと二人でどっかに行くらしい。
残りの年上メンバーはそれなりにいい感じに酔いが回ってきて、元気なメンツはこのままカラオケにいくらしく。
「おねーさん、住所どこ？」
「わたしぃ？ゆめのくにぃ！！！」
「あ、学生証の横に免許入ってる。運転手さん！ここまでお願いします！」
潰れた人の介抱をして。
私がお酒飲めないせいで、完全に介抱係にされたが、まぁタダ飯をいただけたので良いとする。
さーて、帰ってレポートのまとめでもするか。
スマホを取り出し、ここから駅までの経路を調べる。
この後お風呂入って、明日の準備して。
明日は二限からだったっけ、あとどのくらい時間あるかなぁ、早く寝たいし。
「「はぁー疲れた。とっとと帰ろ。」」
ため息交じりに呟いた言葉が、完全にハモったのを感じて周囲を見渡すと、右隣に青緑が混じった黒髪の男の人がポツンと立っているのが目に入った。
その人の視線の先には、繁華街を駆けていくタクシー。
全身を素早く見て、特徴を掴む。
高すぎない背に、見た目の派手さとは反して苦労役を買わされていそうな雰囲気。
あ、この人も仲間か。ご愁傷さまです。しんどいですよね、介抱役。
別グループにいたのかな、と少し考え、踵を返そうとしたその瞬間、目が合った。
肉感的な唇から、何か言葉が紡がれる。
それは、驚くべきものだった。
「...あの、さっきまで一緒にいた方ですよね？」
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作者名：α | 作成日時：2024年3月14日 12時
