□不機嫌のその後 ページ9
***
流星｢A？｣
｢……｣
流星｢Aちゃーん…？｣
｢…｣
流星｢ダメだ、全然反応がない。笑｣
.
モニタリングのスタッフが撮影を終えて撤退していった後も、
全く俺から離れようとしないA。
どうやらだいぶダメージをくらったようだ。
そしてその様子を見て
面白がっているマネージャーが写真を撮っている。笑
.
まあ、次の仕事までまだ少し時間あるし、
この不貞腐れてる状態のまま放っておいたら
次会った時またこじらせそうだし、
ちゃんと回復させるけどさ。
.
.
｢…演技がうますぎて腹が立つ。
ちょっとは焦ったりとかしなかったの…？｣
流星｢泣いてんの久しぶりに見たから…ちょっと焦った。｣
｢…泣きたくて泣いてるんじゃない…｣
流星｢…彼氏に振られても泣かなかったのに。｣
｢りゅ…せ…に嫌われる方が…嫌なの…っ｣
.
…わ…、あぶねー…。
今は楽屋で、マネージャーもいる状況だから
何言われてもある程度冷静でいられるけど、
これもしも2人っきりだったら絶対押し倒してた。
.
“今更何されても嫌いにならないよ…”
ため息をつくみたいに小さく零れたその言葉は、
ぐすん、ぐすん、と鼻を鳴らして
泣いているAの耳には届いていないみたいだ。
.
.
流星｢オンエアされたら各方面から怒られそう。｣
｢…各方面…？｣
流星｢まず中村さんには絶対怒られる。
“うちのAちゃん泣かせんなよ” って。｣
｢…怒られてしまえ。｣
***
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年4月15日 22時
