. ページ47
***
流星｢さっきの、あんまりAらしくないんじゃない？｣
｢……。｣
流星｢…おーい？｣
.
結局、“あ…、私…、お邪魔ですね！”
と言っていなくなってしまったスタッフさん。
流星が色々謝ってたけど、
その間も私は黙って彼に抱きついたまんまで。
そのままウチに一緒に帰ってきても、
何をどう話して良いのか分からず
だんまりを決め込んでいた。
.
流星｢……なんか、顔色悪くない？熱ある？｣
｢……え……、ない…と思うけど…、｣
語尾に自信がなくなったのは、
そういえばなんだか頭がふわふわするような、
いつもより少しだけ体が重くてダルいような
そんな気がしないでもないような…。
.
自分でも気づいてなかった体の不調に、
流星はどうして気づいちゃうんだろう…。
.
流星｢…Aちゃん、熱測らせて。｣
｢…や。｣
流星｢や、じゃなくて、…あー…、ほら、ちょっと熱い。｣
｢…熱くない…。｣
流星｢おかしいと思った。
Aは具合悪いとすぐくっついてくるから。｣
.
今流星にくっついてたいって思うのは、
熱のせいだけじゃない気がするけど…。
気づかれたくないって思ってたはずなのに、
いざ本当に気づかれないとちょっと不満だ。
つくづく自分は面倒くさい女だと思う。
.
後ろからふわっと抱きしめられるような体勢で
無理やり体温計を脇に差し込まれて、
諦めて大人しくしていたらしばらくしてﾋﾟﾋﾟｯと鳴った機械音。
.
流星｢37度7分……、…微熱あんじゃん。｣
***
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1369人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「女優」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紙兎
| 作成日時：2020年4月15日 22時
