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｢……………まだ…言いたくない…です…。｣
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せっかく心配して聞いてくれたのに、
こんな言い方したら面倒くさいって思われそう。
…なんて思ったけど。
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中村｢…んふふ、“まだ”｣
｢……。｣
中村｢分かったよ。悩め悩め若人よ。｣
｢……はい。｣
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んふふって中村さん特有の可愛い笑い方をしながら、
私の頭をふわふわと優しく撫でてくれた。
敢えて “まだ” って言ったのは、
きっと今後、このやけに面倒見の良い彼に
何もかも吐き出してしまう日が来る気がするから。
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中村｢はい、チョコレートあげる。｣
｢…あ…、ありがとうございます。｣
中村｢こーいう時は糖分とんなさい。｣
｢…糖分。｣
中村｢おいし？｣
｢はい、…甘い。｣
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ｺﾛﾝ、と手のひらに乗せられたのは、
金色の包み紙にくるまったミルクチョコレート。
中村さんに言われた通りそれを食べれば、
甘さが口に広がってちょっと気持ちが軽くなった。
.
｢優しいですね。｣
中村｢可愛い子限定でね。｣
｢……私可愛くないです。｣
中村｢Aは自分の魅力に気づいてないだけ。｣
｢………なんか今日の中村さん、優しすぎて怖い。｣
中村｢………お前ぶっ飛ばすぞ。｣
｢…ふふ、笑｣
.
最後にはこうしてちょっと笑わせてくれるところも含めて、
彼は頼りがいがあって、一緒にいて居心地いい。
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年4月15日 22時
