□おめかし ページ17
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Side R
さっきまで一緒に雑誌の撮影をして、
今日はお互いにこれで仕事が終わりだから、
うち来れば？
って誘おうと、彼女の楽屋に入ると、
鏡台の前でせっせとメイクをしているAがいた。
.
流星｢あれ…、A今日どっか行くの？｣
｢んー？なんで？｣
.
そんなの、見れば分かる。
俺があげたグレーのワンピースを着てるし。
いつも撮影終えたら帰るだけだからそのままなのに、
メイクし直してるし。
髪の毛も珍しくアップにしてうなじが見えてるし。
.
流星｢…なんとなく。｣
｢ふふ〜、去年やったドラマの人達がね？
久しぶりに集まろうって言ってくれて、
奇跡的にスケジュールが合ったので、ご飯会です。｣
流星｢去年…って、あれか…。｣
.
Aが去年やった高校が舞台の恋愛ドラマ。
そのドラマでAはキスシーンが何回もあって、
毎話毎話、イラッとしながら見ていた。
(面白かったけど)
.
流星｢その格好で行くの？｣
｢え？可愛くない？｣
.
…可愛いよ、すっげえ可愛いから嫌なんだってば。
.
こういう時、ただの幼馴染みなのが嫌になる。
もし付き合ってたら、
少しは、嫉妬してますよアピールできるのに。
.
.
流星｢…なんか寒そう。｣
｢寒くないよ、コート着るし。｣
流星｢足出てるじゃん、髪も上げてるから首元も寒そう。｣
｢移動はマネージャーさんの車だし、
もう夜でもそこまで寒くないから大丈夫です〜。｣
流星｢…ならいいけど。｣
***
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年4月15日 22時
