ねえ、臣 (ページ26)

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次の日

臣「 …1人で…ごほっ…行ける？」

「ん、大丈夫だよ」

臣「行ってらっしゃい」

「行ってきます！」

私は

携帯を持って

久しぶりに自分の家に帰る

怖い

怖い

怖くない

ドアの前に立ってドアノブに手をかける

「フーーー！」

深呼吸～

私はゆっくり中に入るとプーンと香るお酒の匂いに

生々しい動物的な匂い

また…

ママは男を上がらせたんだ

自分の身体を売って

汚い金で自分の好きなのに消えていく

「 …っ…臭い」

リビングに行くと

「ママ…ママ…？何してるの？…っ… 」

そこには何十本ものお酒に煙草

「 …あ？あんた…何帰ってきてんのよ！早くでてけって言っただろ！！！」

「 …っ… 」

「なにその男物の服…あんただけ… 幸せになるなんて許せない… 誰がここまで育ててきたと思ってんだよ！」

「ママ…ごめんなさい…っ… 」

痛い

痛い

痛いよママ

私…また殴られてるんだ

…蹴られてるんだ

「あんたなんて…あんたなんて… 」

聞きたくない

聞きたくないの

やめて

臣

「あの時堕ろせばよかった！！」

子が親に1番言われたくない言葉は、呆気なく私が言われた

コレ。

私は痛い身体を持ち上げて

自分の部屋に行く

「はっ…はあ… 」

なんとか大きいスーツケースを出して

とりあえず中に

自分の物をたくさん入れる

「う…っ… 」

痛い

痛くない

大丈夫

そう、自分に言い聞かせた。

言い聞かせなきゃ、やってられないと思った

私はスーツケースを持って

外に出る

「ごめんねママ…もう…ついてけない… 」

早く

早く

早く臣に会いたい

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