ラッキーイベント ページ34
ゴンside
『……ゴン、潮の匂いわかる？』
Aは急に近くで囁いてきた。
Aってほんと、距離が近くて困る。
だって恥ずかしいもん。
「わかるけど、どうして？」
『えっと……、みんな川魚取ってくるじゃん。でもキルアとの戦いに勝つにはユニークさがいるかなと思って、塩湖の魚にしようと思うの。』
やっぱりAは真面目でしっかりしてて……。
「そっか！良いよ！ちょっと待ってね。」
Aのためにも絶対に見つけなきゃだ！
必死に鼻を働かせると、すぅっと華やかで優しい匂いに鼻腔を擽られた。
その匂いはAからだった。
今まで会った人の中で1番いい匂いだ。
安心できて、でもどこか惹き込まれるような匂い。
Aらしい匂いだ。
Aの匂いに集中しすぎてすっかりと塩湖のことを忘れていて、つい時間がかかってしまった。
「A！あっちだよ！まっすぐ歩いたら辿り着くよ！｣
『ほんと！？ありがとー！いつかこの恩は返すわ！！』
オレもついて行こうとしたが、案内もしてもらうなんて悪い、と断られてしまった。
「別にAなら良いのに……。」
__________________
「ん〜……」
「どうしたんだよ？」
「Aが奥に行ったっきり帰ってこないんだ。」
１時間ほど経っていたがAは戻ってきていなかった。
奥には人がいないだろうし、魔獣にでもやられてたら……！
「キルア！Aを探しに行こう！」
「……おう！」
オレはAの匂いを辿りながら走って進む。
「こっちだよ、キルア。」
「お前、ほんとすげーな。よく分かるな。」
「だってAいい匂いするじゃん！」
(だとしても辿れるのはほんとにすげーよ。)
だんだんとAの匂いが濃くなってくる。
すると前方に人影が見えた。
「あ！！近いよ！この先にAがいる！」
「おーけー！」
オレはAの名前を呼ぶ。
キルアと2人で草木を飛び越えて前に出る。
すると、そこにはバスタオル一枚のAがいた。
「へ……？」
混乱していると、Aが顔を真っ赤にして怒鳴った。
『っ〜〜！ばか！変態！あっちいって！！』
恥ずかしそうに腕で顔を隠しているAを見てはっと我に返り後ろを向く。
キルアも驚いて顔を赤くしていた。
多分オレも……。
華奢な腕と濡れた髪、腕から少し見える赤くなった耳……。
初めて、見たかも。
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あやめ - めちゃくちゃおもしろいです!!!!!!!あたらしいのがたのしみです。 (3月24日 19時) (
レス) @page9 id: b2bf208830 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さっかーろ | 作成日時：2023年4月3日 0時
