ハンターになる理由 ページ16
私は笑いながらレオリオを追いかけた。
クラピカも私たちを追って横に来た。
「レオリオ、ひとつ聞いていいか?」
「へっ体力消耗するぜ、ムダ口はよ。」
「ハンターになりたいのは本当に金目当てか?」
あ!
レオリオの目が少し泳いだ。
「違うな。ほんの数日のつきあいだがその位はわかる。確かにお前は態度は軽薄で頭も悪い!」
『ぐふっ……w。わ、私も!レオリオは金だけのやつじゃないってことわかるよ!だって優しいもん。』
クラピカの容赦ない毒舌っぷりについ笑いが……
ってだめだめ。ポーカーフェイス!
「ああ。私もそう思う。決して底が浅いとは思わないのだよ、レオリオ。金もうけだけが生きがいの人間は何人も見てきたがお前はそいつらとは違うよ。」
レオリオの口角が少し上がる。
「ケッ理屈っぽいヤローだぜ」
もう、素直になればいいのに、なんて面白がっていると、クラピカが目を伏せる。
そして深く息を吸い込んで言った。
「……緋の目」
緋の目……。
そっかここで教えてくれるんだった。
クラピカは憎悪を目に宿らせながら話し出す。
アニメとか漫画とかとはここは違う。
ほんとの現実。
クラピカの怒りだとか悲しみだとかがダイレクトに伝わってくる。
……だめだ、私。
これからどんなことが起きるか分かってるじゃん!
今、泣くのなら今後もう一緒にいるのは諦めろ!
私は未来を変えられる。
この記憶がある限り。
だから私はみんなとそばに居ながら、絶対にみんなを守っていかなきゃいけないんだ。
クラピカとレオリオが揉めている。
きっとこれで2人の絆は深まる。
4人には……せめて、今だけでも。
「……だ…ぶか?A!!」
『へっ?』
「大丈夫か?」
『あ、ごめん。』
つい考え込んでしまったようだ。
クラピカが私の顔を覗き込み、心配そうに見てくる。
レオリオもクラピカの隣で気にかけてくれている。
「すまない。重い話をしてしまって。」
『ううん、大丈夫!』
私は微笑む。
今日も。明日も。
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あやめ - めちゃくちゃおもしろいです!!!!!!!あたらしいのがたのしみです。 (3月24日 19時) (レス) @page9 id: b2bf208830 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さっかーろ | 作成日時:2023年4月3日 0時