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ふらふらと歩いているといつの間にか着いた小さな公園
家に帰るための目印だった。
方向音痴の私。半年経ってやっと何も見ずに帰って来られるようになった。
日本に帰ってきてから半年。
同じ東京に住む以上、もしかしたら何処かで会うこともあるかもしれない。そう考えなかったわけじゃない。
だけど、まだ半年。
こんなにも早く彼に会うなんて想像もしていなかった。
でもそれも、偶然じゃなかった。
彼の隣に居たよく見知った顔
「隆二の馬鹿野郎………何考えてんのよ」
独り言、のつもりだった
「誰が馬鹿野郎だって?」
心臓が止まるかと思った。
まさか誰かに聞かれていたなんて。
しかも、その本人に。
大声で叫びそうになった私の口をむぐっと押さえた大きな手は、さっきまでポケットに入っていたはずなのにとても冷たかった。
「あんな所で叫ぶなんて何考えてんだお前は」
私のソファーに当たり前のようにどかっと座って、少々お怒り気味な友人。
いや元はと言えば隆二が悪いんじゃん…と言いかけて止めたのは、彼が寒い中ずっと待っていてくれた事もその理由も全てわかっていたから。
運良く誰にも見られなくてよかった。端から見れば多分通報されていたかもしれない。
「___勝手なことして、悪かった。」
どうして私の幼なじみはこうも優し過ぎるんだろう。謝る必要なんて何もないのに。
だってそれは私達を思ってしてくれたことに違いないのだから。
「でもこのままじゃお前ら二人共ちっとも前に進めないだろ?
なぁA。臣に会ってわかっただろ?
あいつ変わったよ。前とは違う。それもこれも全部……お前を想ってのことだよ」
さっき会ってもしかしたら…とうっすらとしか思っていなかったことが言葉にされて明確になってしまう。私の勘違いだと思いたかった。
自分はなんて傲慢なんだと思いたかったのに。
「もしお前にその気持ちがないなら……
今度こそあいつをちゃんと振ってやれ。
じゃないと臣もお前に囚われたままでいい加減可哀想だよ。
俺にとってAが大切な友人なのと同じように、臣も俺の大切な仲間なんだ。」
傷ついたのは私だけじゃない。
隆二の言葉全てが重く突き刺さる。
「またいつあっちに戻るかわかんないんだろ?
ならもう後悔は残して行くな。勿論お前自身の為にも。」
まだ未定の話。だけど決めるのは、私。
もう二度とソウルを逃げ場には出来ない。
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あいみか(プロフ) - さこさん» さこさん、今年もよろしくお願い致します〜(*´∇`*)臣くんが好きなゆえにどうしてもいつもストレートに結ばさせてあげられない私です(^-^;)次回判明の…予定(笑)ドキドキ楽しんで頂けるように頑張ります。さこさんいつも感謝ですv (2021年1月5日 13時) (レス) id: 01879ff23f (このIDを非表示/違反報告)
さこ(プロフ) - こんばんは!主人公が何者につけられてるのか気になるΣ(゚д゚lll)早く臣くんに連絡!!せーっかく二人がうまくいきそうなのに、水をさすのは誰!許せません( *`ω´) (2021年1月4日 21時) (レス) id: 8c0425346a (このIDを非表示/違反報告)
あいみか(プロフ) - さこさん» こんばんは.:*:・'°☆さこさんいつもありがとう(*´∀人)更新かなり開いてしまった上に一話のみで本当に申し訳ないです(・・;)感想頂けて本当に嬉しかったです。感謝です!次はなるべくもう少し早く…頑張りますφ(・д・。) (2020年12月30日 20時) (レス) id: 01879ff23f (このIDを非表示/違反報告)
さこ(プロフ) - こんにちは!臣くんよかったですね!主人公が一歩踏み出してくれて。また0からのスタートでも主人公に臣くんの気持ちが伝わって、振り向いてくれる事を祈ります!!次回も楽しみです(^^) (2020年12月30日 15時) (レス) id: 8c0425346a (このIDを非表示/違反報告)
あいみか(プロフ) - さこさん» さこさんいつもありがとう!ちょっと気になる所で終わしてみました(*´ω`*)自分でハードル上げちゃうと大変なのであんまり言えないけれど…楽しみにしてもらえると嬉しいです。 (2020年12月12日 11時) (レス) id: 01879ff23f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいみか | 作成日時:2020年11月22日 14時