紡ぐ5 ページ6
『ん…』
あれ、私いつの間に眠ってしまったんだろう。
ゆっくり目を開ければ見慣れない白い天井が見えた。
「A!分かる?」
『お姉ちゃん…』
「良かった…!本当に良かった…!」
規則的にリズムを刻む音、
口元に当てられた酸素マスク、
慌ただしく動き回るスタッフ、
そして紺色のスクラブを着ているお姉ちゃんの姿からここがICUであることが想像できた。
「受付の前でしゃがみこんでいたAに気づいた冴島さんが運んでくれたの。
今はどう?」
『大分、楽になったよ…』
マスクは声がこもって聞き取りづらいからお姉ちゃんがマスクをずらしてくれる。
モニターに出ているSpO2値を見て安心したように息をついたのが分かった。
「カヌラに替えようか。持って…」
「はい。カヌラに替えますね」
いつの間にか私の足元に来ていた冴島さんがマスクからカヌラに替えてくれた。
しばらくSpO2値を見て変動がないことを確認すると
冴島さんはお姉ちゃんと視線を合わせた。
「2リットルでいいですか?」
「そうね。95%以下で1リットルずつ上げて。
オフは明日以降にするわ」
「分かりました」
「また、指示出します」
「はい」
真剣な目で話しているお姉ちゃんを見るとやはり、医者なんだなと改めて思う。
そんな姉の姿は格好いい。
「いつから?」
姉の顔がキリッと引き締まった。
怒られる。
直感でそう思い下を向く。
「…、怒ってるわけじゃないの。心配してるだけ」
私の頭を撫でながら優しく言ってくれる。
意を決して私は話した。
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まお(プロフ) - ゆんさん» コメントありがとうございます(^^)待ってました、のお言葉すごく嬉しいです。頑張ります。 (2018年9月30日 8時) (レス) id: a4581f7272 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - なーなさん» コメントありがとうございます(^^)なんとか絞り出したので今後訂正するかもしれませんが、、、。また、いらして下さい。 (2018年9月30日 8時) (レス) id: a4581f7272 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - まってました!更新頑張ってくださいね^ - ^ (2018年9月30日 1時) (レス) id: d0b35e2f73 (このIDを非表示/違反報告)
なーな(プロフ) - 続きが気になります!頑張ってください! (2018年9月30日 0時) (レス) id: a9b248562d (このIDを非表示/違反報告)
なーな(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2018年9月12日 0時) (レス) id: a9b248562d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まお | 作成日時:2018年7月30日 0時