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紡ぐ47 ページ50

我慢の天才、と言われている私にも限界はあったらしく

ずっと強い頭痛が続いていて起き上がる気力もわかない。




「大丈夫ですか?熱測りますね」




今日は雪村さんが担当らしく心配そうな顔をして私を見ている。




電子音が鳴り体温計を渡すと雪村さんは驚いた表情をしていた。




「白石先生に報告してきますね」




そう言うと急いで病室を出て行った。




相変わらず、ずっと締め付けられる痛みが続いている。




「A!大丈夫?」




そこに慌てたようにお姉ちゃんが入ってくる。




「熱が高いわね…。カテ感染かな?ちょっと見るね」




そう言ってお姉ちゃんが私の首のあたりへ顔を寄せる。




「んー…、感染徴候はないわね。体調崩しただけかな?薬飲めそう?」




今度は額に手を当てながら訪ねてくる。




その言葉に首を横に振るとお姉ちゃんはため息を吐いてから

「スルピリン持ってきて」と雪村さんに指示していた。




「注射するけどいいよね?」




『ん…』




「しんどいね、A…」




お姉ちゃんが私の頭を撫でようとした時ヘリ要請のコールが鳴った。




「え、このタイミング?ごめん、緋山先生と冴島さんにお願いしておく」




終わったら来るから!そう言い残して病室を出て行った。




「Aちゃん、大丈夫?」




「我慢の天才もついに根を上げたか」




お姉ちゃんと雪村さんと入れ替わるようにして来たのは

冴島さんと緋山先生だった。




「Aちゃん、筋注するね」




「袖捲るね」




冴島さんが私の左袖を捲るとすぐに消毒される。




「ちょっと痛いよ」




緋山先生の声が聞こえすぐ後に痛みがやってきた。




「はい、終わり」




「Aちゃん、ちょっと揉むからね」




そう言うと冴島さんが軽く注射した部位を揉んでくれる。




「Aちゃん、何かあったらすぐ呼んで?」




緋山先生はそう言うと冴島さんと一緒に病室を出て行った。




しばらくすると少し息苦しくなって胸元に手を置く。




『…っ、なに…、これ…』




段々と呼吸がしづらくなって咳も出始めた。




声も出せなくて心の中で何度もお姉ちゃんを呼んだ。

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まお(プロフ) - ゆんさん» コメントありがとうございます(^^)待ってました、のお言葉すごく嬉しいです。頑張ります。 (2018年9月30日 8時) (レス) id: a4581f7272 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - なーなさん» コメントありがとうございます(^^)なんとか絞り出したので今後訂正するかもしれませんが、、、。また、いらして下さい。 (2018年9月30日 8時) (レス) id: a4581f7272 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - まってました!更新頑張ってくださいね^ - ^ (2018年9月30日 1時) (レス) id: d0b35e2f73 (このIDを非表示/違反報告)
なーな(プロフ) - 続きが気になります!頑張ってください! (2018年9月30日 0時) (レス) id: a9b248562d (このIDを非表示/違反報告)
なーな(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2018年9月12日 0時) (レス) id: a9b248562d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まお | 作成日時:2018年7月30日 0時

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