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紡ぐ42 ページ45

目が覚めると

病室はオレンジ色に包まれていて

眩しかった太陽はすっかり夕日に変わっていた。



『寝ちゃってた…』



起きると少し鈍い頭痛があるけど

先ほどよりかは随分とマシだ。



吐き気はすっかりなくなっていたけど食欲はない。




「A?入るよ」



不意にドアがノックされ聞こえたのはお姉ちゃんの声だった。




『どうぞ』




ゆっくりとドアが開き心配そうな表情をした

お姉ちゃんが近づいてくる。



「どう?」



『吐き気は治まったけど食欲ない』



「頭痛は?」



『だいぶマシになったよ』




そっとおでこに手を当ててくれるお姉ちゃん。




「熱はなさそうね」



『うん…。ご飯、食べなきゃダメ?』



「冷たいものは食べられない?」



『カットフルーツとかなら少しは…』



「じゃあ、これ」



そう言ってお姉ちゃんがテーブルに置いたのは

コンビニの袋で、中からは何種類かの

カットフルーツが出てきた。



『よく分かったね。

私がフルーツ食べたいって』



「小さい時からそうだったからね。

どれにする?」



お姉ちゃんが取り出した何種類かのフルーツの中から

私はりんごを選んだ。



「それ選ぶと思った」



『さすがだね』



パックを開けてフォークで突き刺し口に運ぶと

りんごの甘い匂いが鼻に抜ける。




『おいしい…。はい』



もう一つのりんごを刺してお姉ちゃんに差し出すと

口を開けてりんごを頬張っている。




「ん。これ、おいしいね」



『ね。もう1個食べる?』



「…、もういらないんでしょ」



『バレた?』



一つ食べただけでなんだかお腹が張ってしまって

それ以上食べることはできなかった。



「副作用に腹部膨満感もあるから、

小分けにして食べられる時に食べて。

ナースにも伝えておくから」



『ありがとう』



「ううん。じゃあ、私帰るね」



『うん。おやすみ』



他のフルーツも冷蔵庫に入れてから

お姉ちゃんは病室を出て行った。

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まお(プロフ) - ゆんさん» コメントありがとうございます(^^)待ってました、のお言葉すごく嬉しいです。頑張ります。 (2018年9月30日 8時) (レス) id: a4581f7272 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - なーなさん» コメントありがとうございます(^^)なんとか絞り出したので今後訂正するかもしれませんが、、、。また、いらして下さい。 (2018年9月30日 8時) (レス) id: a4581f7272 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - まってました!更新頑張ってくださいね^ - ^ (2018年9月30日 1時) (レス) id: d0b35e2f73 (このIDを非表示/違反報告)
なーな(プロフ) - 続きが気になります!頑張ってください! (2018年9月30日 0時) (レス) id: a9b248562d (このIDを非表示/違反報告)
なーな(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2018年9月12日 0時) (レス) id: a9b248562d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まお | 作成日時:2018年7月30日 0時

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