紡ぐ31 ページ34
「大丈夫よ。Aちゃん、頑張れ」
『…っ』
「終わったよ。A、よく頑張ったね」
お姉ちゃんの声が聞こえて手の力を緩める。
『緋山先生、ごめんなさい…。
強く握っちゃいました』
「いいって、これくらい。
HR87、血圧102/67、SpO2、97%」
「分かった。
A、お姉ちゃんが今触ってるの分かる?」
何かが肌の上を押している感触はある。
『痛くはないよ』
「麻酔効いてるね。メス」
「はい」
局所麻酔だからお姉ちゃんたちの声や
器械の音が聞こえる。
痛みはないけど、着々と進められていく手術。
しばらくすると体の中に何かが入る感触がある。
「逆血あるね。SpO2どう?」
「98%とれてる」
お姉ちゃんの問いかけに緋山先生が答える。
「よし。テガダーム貼ったら終わり。
A、よく頑張ったね」
ガウンを脱ぎながらお姉ちゃんが声をかける。
「Aちゃん、テープ貼るね」
冴島さんがカテーテルの上から
保護シールを貼ってくれる。
とうとう、私の体にカテーテルが入ってしまった。
「白石です。レントゲンお願いします」
『レントゲン…』
「ちゃんと入っているかを見るのよ」
『冴島さん、大丈夫ですか?』
「大丈夫。ドアの外にいるわ」
「Aちゃん、冴島の妊娠知ってたの?」
『少し前に教えてもらいました。
…、言っちゃダメでしたか?』
「もう大丈夫よ」
『もう…?』
冴島さんの言葉が引っかかる。
大方、お姉ちゃんが余計な事でも言ったのかな。
そんなことを考えていると
ポータブルレントゲンが来てスクラブの上から
プロテクターを着けたお姉ちゃんが頭元に来て
検査技師さんに撮影部位について指示している。
レントゲンも撮り終えて今度はベッドで
HCUに戻る。
今日1日はここで様子を見るらしい。
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まお(プロフ) - ゆんさん» コメントありがとうございます(^^)待ってました、のお言葉すごく嬉しいです。頑張ります。 (2018年9月30日 8時) (レス) id: a4581f7272 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - なーなさん» コメントありがとうございます(^^)なんとか絞り出したので今後訂正するかもしれませんが、、、。また、いらして下さい。 (2018年9月30日 8時) (レス) id: a4581f7272 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - まってました!更新頑張ってくださいね^ - ^ (2018年9月30日 1時) (レス) id: d0b35e2f73 (このIDを非表示/違反報告)
なーな(プロフ) - 続きが気になります!頑張ってください! (2018年9月30日 0時) (レス) id: a9b248562d (このIDを非表示/違反報告)
なーな(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2018年9月12日 0時) (レス) id: a9b248562d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まお | 作成日時:2018年7月30日 0時