紡ぐ30 ページ33
もうあと少しで10時になろうとしている。
ドアを閉め切った病室は驚く程静かだった。
相変わらず、窓から見える空は青い。
「失礼します。そろそろ行きましょうか」
不意にドアがノックされ雪村さんが入ってきた。
『はい』
右腕に繋がれた点滴を雪村さんに確認してもらい
車椅子に乗るとそっと動き始めた。
手術室に向かうため、詰所の前を通ると
藍沢先生と藤川先生の姿が見えた。
頭を下げると2人は力強く頷いてくれた。
「お願いします」
「ご苦労様。Aちゃん、準備はいい？」
『はい』
実習ぶりに入る手術室。
2枚目の扉を抜けるといくつかの部屋が並んでおり
その内の一室に案内される。
中に入ると救命のスクラブに
マスクを着けている緋山先生がいた。
「はい。ここに横になって」
緋山先生に促されて手術台に横になる。
「モニター着けるね」
そう言っていつもより右側に
心電図のシールが貼られていく。
「大丈夫よ。
白石がやるんだし、冴島も私もいるから」
不安そうな顔をしていたのか
緋山先生が頭を撫でてくれる。
やっぱり、緋山先生の手は力強い。
『緋山先生、本当に手握ってくれるんですか？』
「特別よ。Aちゃんだからね」
そう言って私の右手を握ってくれた時、
足元の扉が開き冴島さんがワゴンを押して入り
少ししてからお姉ちゃんが入ってきた。
「A、そろそろ始めるね」
『うん…』
「じゃあ、始めましょう。
左鎖骨下にヒックマンカテーテルを挿入します。
消毒します』
「はい」
少し温かい綿球が左胸全体に撫でられていく。
それと同時にイソジン独特の匂いが鼻を掠めた。
「キシロカイン下さい」
今回は局所麻酔でカテーテルを挿入する。
最初の痛みさえ我慢すればいい。
「A、ちょっと痛いよ」
『うん…』
お姉ちゃんの言葉のすぐ後に痛みはやって来た。
思わず手を強く握ると緋山先生も
同じくらい力を込めてくれた。
お姉ちゃんの言葉のすぐ後に痛みはやって来た。
思わず手を強く握ると緋山先生も
同じくらい力を込めてくれた。
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まお(プロフ) - ゆんさん» コメントありがとうございます(^^)待ってました、のお言葉すごく嬉しいです。頑張ります。 (2018年9月30日 8時) (
レス) id: a4581f7272 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - なーなさん» コメントありがとうございます(^^)なんとか絞り出したので今後訂正するかもしれませんが、、、。また、いらして下さい。 (2018年9月30日 8時) (レス) id: a4581f7272 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - まってました！更新頑張ってくださいね^ - ^ (2018年9月30日 1時) (レス) id: d0b35e2f73 (このIDを非表示/違反報告)
なーな(プロフ) - 続きが気になります！頑張ってください！ (2018年9月30日 0時) (レス) id: a9b248562d (このIDを非表示/違反報告)
なーな(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2018年9月12日 0時) (レス) id: a9b248562d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まお | 作成日時：2018年7月30日 0時
