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百九十話*世間話 ページ22

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「野上さんが囮になって犯人をおびきだして……捕まえるってこと?」

太宰君が面白そうに笑う

椅子に座っているからいいものの立ち上がると太宰君との身長差が大変なことになる

教員室にいると先生方が何かとサービスしてくれるので用がなくても来るようになった

小さいって正義なんだね。首領が云ってたことは矢張り正しい

「主、作戦話していいんですか? 邪魔されたら……」

「哀君、此の私が人の邪魔をすると思うのかい?」

「思います」

即答する哀に苦笑し乍ら太宰君は真知子の方に視線を向けた

「真知子ちゃんは? 私は___」

「気安く呼ばないでよ」

真知子も冷たい。此の二人最低だろ

「ねぇもう少し仲良くしてよ。一応太宰君は武装探偵社のこと皆に秘密にしてるんだから」

「嗚呼、そういえばそうですね。……そろそろ部屋を出てもいいでしょうか?」

哀と真知子は妙に緊張している

「何で? 先刻入った許りだろう?」

「だって私達太宰さんに触れられたら消えるのよ? ご主人だって判っているでしょ?」

真知子の言葉でやっと気づいた

「確かに……太宰君は哀と真知子に触れないでよ?」

「大丈夫だって。昔哀君のこと消して野上さんが激怒したの覚えてるからもうこりごりだよ」

太宰君は厭なことを思い出した。という顔で僕を見た

「嗚呼、懐かしいね。僕も彼処迄怒ったのは初めてだったよ」

「あの……そろそろ授業ですよ?」

殺せんせーが申し訳なさそうに申し出た

時計を見ると授業が始まる二分前

もう手遅れな気もする

「次の授業国語だよね? 急がないと」

「太宰先生遅刻だー」

「いや、野上さんもでしょう?」

太宰君の珍しく冷静なツッコミを聞き流し乍ら教室の扉に手をかける

「ねぇ野上さん」

太宰君が声を掛けてきた

それに応じ、ゆっくりと振り返る

「もう暗殺諦めたの? してるようには見えないよ?」

「……殺せんせーは絶対に死ぬよ? 死ぬ人間を今殺しても勿体ないでしょう? 僕が自ら手を汚す必要はない」

笑い、太宰君を見上げる

心なしか少し顔が強ばっているようにも見えた

「なぁんて冗談! 殺せないだけだよ!」

僕じゃ殺せんせーは殺せない

自分で自覚している。僕は弱い

それに______




「殺したらつまらなくなるじゃないか」

小さな呟きは哀にも真知子にも太宰君にも聞こえていなかった

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織姫 - オリエンス★さん» 確かにケモ耳つけたい……とにかく悪戯したいです!小さい中也さん絶対可愛いですよね〜 (2017年2月5日 18時) (レス) id: 0e1e5b3740 (このIDを非表示/違反報告)
オリエンス★ - wwちゅ、中也がさらにちっちゃくwwwwやばいwwwwケモ耳めっちゃつけたいwwww面白いです!!更新頑張って下さい!! (2017年2月5日 18時) (レス) id: 9d98047001 (このIDを非表示/違反報告)
織姫 - 琉姫さん» お祝いの言葉ありがとうございます!更新頑張ります! (2017年2月5日 10時) (レス) id: 0e1e5b3740 (このIDを非表示/違反報告)
織姫 - peromi0111さん» どうしてもしたいネタだったんですよ〜。中也さんは絶対可愛いと思います!これからも頑張りますね! (2017年2月5日 10時) (レス) id: 0e1e5b3740 (このIDを非表示/違反報告)
琉姫 - 続編、おめでとうございます!これからも、楽しみにしてます。 (2017年2月4日 22時) (レス) id: 280b60e775 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天原依愛 | 作成日時:2017年2月4日 13時

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