ツインレイ【SA】

第７話 ページ9

《Sside》


有り得ない凡ミス

中途採用とはいえ、大丈夫か？


見せてもらった履歴書を見ればそれなりに予想は付いたが・・

何でこの会社に入社出来たんだ？





N「歓迎会しません？主任と相葉さんの」

金曜日の夜

二宮からそう言われた


S「別に、そんなのしなくてもいいよ」

N「イヤ〜、部長からカンパいただいちゃって、もう予約してるんですよねぇ。19時に赤坂の白兎で。宜しくです」


・・はぁ、何だよ

せっかく異動になって最初の金曜日だって言うのに




「櫻井くん、相葉くん、これから一緒に頑張りましょう！乾杯！」

「乾杯〜！」


くだらない・・


「主任は彼女とか居るんですか？」

女二人に捕まった


S「・・今は居ない」


‘え〜！うそ〜！’


耳障りな声が響く


「ご兄弟は？」

S「・・妹と弟が居る」


「えっっ？！」


斜め向かいあたりから、大きな声がして

みんなの視線がそちらに向かう


・・雅紀だ





N「どうしたの？相葉さん」

A「え？あ、ごめん・・なんでも、ない」


妹と弟が居るって知って驚いたんだろう

父親の再婚相手の連れ子


高校生の頃だった

突然、父親が女性と子供を連れて来た

反対する理由も、歓迎する理由もなかった


そういえば、実の母親はその後どうしたのだろう

綺麗で優しい人だったが、再婚はしなかったのか

苗字が' ‘相葉’って事はしてないのか





「ねぇねぇ相葉さんは？彼女いる？」

別の女があいつを狙ってる


A「いないよ」

「結婚とか考えてないの？」

A「やっと再就職できたばっかりだし、今はね」

「相葉さんて、長男？」

A「え？あ・・えと・・次男、かな」

「へぇ、お兄さんいるんだ？いくつ？カッコいいの？」

A「あ・・の、まぁ、カッコいいよ。俺と違って仕事も出来るし」

「似てる？」


・・っ


A「・・ううん、似てない。顔も、中身も、全部全部・・。カッコよくて、頭も良くて、頼りがいがあって・・お兄ちゃんだけど、憧れだった」


・・っ

こっちを見るな・・っ

一瞬重なりそうになって視線を慌てて逸らした


もう俺とお前は兄弟じゃない

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