ツインレイ【SA】

第３９話 ページ41

《Sside》


ここ一週間、雅紀の帰りが早い

定時になると、すぐに帰ってしまう

二宮の誘いも断っている


仕事にも、身が入っていないような・・



今日も定時になると、席を立った




S「相葉くん！」

A「え？あ、はい・・」


何かに、怯えている？


S「たまには、飯でも行かないか？」

A「あ、いや、今日は・・」

S「今日はって、毎日だろ？そんな急ぐように帰るの」

A「・・っ、それは」


目を逸らすように俯いた

やっぱり何かあるんだ



S「ちょっと」


腕を引っ張って、ミーティング室に連れていった



S「何を隠してる？」

A「それは・・」

S「言え」


こういう時は強気に出た方がいい

こいつの性格を考えると





A「・・麻衣さんが、待ってるから」

S「はぁ？」

A「毎日、うちの近くで、俺の帰りを待ってる・・」

S「・・な」

A「挨拶すると帰ってくれるんだけど・・。飲みに行ったら・・夜中まで待ってたから・・」

S「いつから？」

A「3人で飲んだ日。麻衣さんに双子だってバレた日」


もう二週間以上前の事じゃねぇか


S「何で言わないんだよ！完全なストーカー行為だろ！」

A「で、でも、女の子だし、しょーちゃんの妹だし。なにより、そこまでさせるようなコトしたの、俺かな・・って」

S「お前が何したって言うんだよ」

A「誤解させた。何も気づかず」

S「あいつは厳しく育てられて箱入り娘なんだ。きっとロクに恋愛もしてない。そこでたまたま優しくされたお前にその気になった。逆上せてるだけなんだ」

A「わかってる。けど・・」

S「付き合う気もないのに今優しさを見せる方が残酷だぞ」

第４０話→←第３８話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す