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第3話 ページ5

《Sside》


あの夢は、この事を暗示していたのか

三十年前の悪夢

全て忘れた過去


大切な物を奪われた

今思えば、何が大切だったかもわからない








「どう?人事部」

仕事帰りの居酒屋


親友の智くんとの楽しい時間


S「ん〜、別に難しい事は無さそうだよ。退屈しそう」

O「翔くんは優秀だからな〜」

S「また、それ?(笑)」


昔から言われ続けた

嫌で嫌で仕方なかった


なのに、この人に言われた時だけ

不思議と嫌じゃなかった


この人の言葉には、嘘や嫌味がない

優秀な俺を、心から褒めてくれて、自分の事のように喜んでくれる



O「ん?どうした?」

S「え?」

O「なんか、違う事で悩んでる顔してる」

S「え・・?いや・・」


ジーっと顔を見つめられる


O「おいら、絵描きだよ?何人の人の顔見てると思ってる?」


・・っ


そう、智くんは画家だ

毎日‘人’を見てる


S「会いたくない人に会っちゃって」


この人に嘘は吐けない


O「元カノとか?」



・・なら、良かったけど



S「うん。似たような物かな(笑)」


会いたくなかった

俺の記憶中の母親は、温かい人だった

田舎の祖父母の家に行ったらしい二人

きっと楽しくて賑やかな毎日


真逆だった

家政婦の作るご飯を食べ、勉強だけをする日々

行事にだって来てくれた試しがなかった

俺が父親と話せるのはテストで良い点を取った時だけ

‘この調子で頑張れ’

褒められた事なんてない


俺だって母親の元に行ってれば・・


初日から、あいつはみんなに気に入られていた

優しい、穏やかな空気

俺の覚えている母親のまんまだった

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あの、 - どうでもいい事ですが、私と名前一緒!!!!漢字もです!!! (2020年6月21日 12時) (レス) id: b6449f78e2 (このIDを非表示/違反報告)
miu(プロフ) - 櫻宮さん» 櫻宮さん、コメありがとうございます!とっても嬉しいです!ちょっと恥ずかしくなるくらい嬉しいです!!!!! (2020年3月14日 20時) (レス) id: 599b679870 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - え??なにこのくそ面白い作品素直になれない櫻葉さんたちの不器用でまっすぐなお話。何か…凄い満たされた感満載。凄い楽しく読めました。ありがとうございます。 (2020年3月13日 19時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
miu(プロフ) - まなぶさん» まなぶ様コメありがとうございます!やっぱり仲良しクラブも必要かと。 (2019年12月24日 1時) (レス) id: 599b679870 (このIDを非表示/違反報告)
miu(プロフ) - まなぶさん» まなぶ様 (2019年12月24日 1時) (レス) id: 599b679870 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美羽 | 作成日時:2019年7月25日 8時

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